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大きな転機を迎えているゲーム業界で、今知っておくべきポイントとは

ヒューマンアカデミー、カプコン、イードが行ったゲームクリエイターセミナー「『逆転裁判5』クリエイターが語るゲーム作りの裏側」からレポート。第1回は新清士氏による講演。

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■ ゲームのブームは誰にも予想できない

ゲームのブームはどんどん変化します。2007年は任天堂の「Wii」や、全世界で1億6000万台売れた「ニンテンドーDS」が圧倒的でしたが、2009年ごろにはDeNAのモバゲー、グリーが急成長を遂げます。しかし2012年には無料のメール・通話アプリ「LINE」が爆発的に普及する一方、ガンホー・オンライン・エンターテイメントの『パズル&ドラゴンズ』がブレイクしました。こんな流れは誰にも分かりません。同社の森下一喜社長は「ヒットしたのは運」といい、任天堂の前社長である山内溥氏も「運が良かった」とコメントしています。

ゲームをヒットさせるため、当然良いものを作るべく全力を尽くします。その最後の紙一重を分けるのは「その時代に合うかどうか」ということ。時代によって求められるものが変わるため、それに合わせたモノづくりが重要となるのです。

また新氏は、スマートフォンの急成長は目を見張るものがあるため、スマートフォンで成長している会社、力を入れている会社を選ぶべきだとアドバイス。例えば、PlayStation 4は新型ハードの発売としては好調ともいえる500万台の販売を予測しています。しかし開発費は20~30億ともいわれており、一方スマートフォンは開発費は5000万~1億ながら2013年だけで8億4000万台を販売。2016年までに40億台以上のスマートフォンが世界で販売されると予測されています。そのうち10%がゲームを遊んでも4億人ですから、スマートフォン向けにゲームを作れない会社は生き残れなくなるでしょう。すでに家庭用ゲームと水準が変わらないタイトルも登場しており、ユーザーに納得してもらえるようなゲーム作りが重要です。

課金体系も変化を迎えており、アイテム課金からゲームセンターと同じようなコンティニュー課金も増えてきました。壮大なストーリー展開も可能としていますし、1つのゲームをどれだけ長期間遊んでもらえるかが勝負といえそうです。

■ ゲーム作りの環境が整った今、誰にでも大きな「可能性」がある

2000年代初頭では、個人がゲーム作りの環境を整えるには大きな制限と膨大な費用が必要となりました。しかし、今では米Unity Technologiesが提供しているゲームエンジン「Unity」を無料で利用できるため、自分なりにこだわった「作りたいものを作れる」環境が実現しています。大ヒットしたゲームの中には2~3人で作ったものもありますから、色々な方法や表現形態があり、自由な可能性を秘めているのがゲーム業界です。

最後に新氏は、まとめとして「ゲーム業界は今後もっと変わっていきますし、求められるスキルは変わりますから、自分が“変わっていける力”を持つことが必要です。そしてゲーム業界は、皆さんのような若い人を期待しています。なぜなら、若い時こそ新しいアイデアのつまった無茶なゲームが作れるからです。ユーザーは若い皆さんの素晴らしい発想による、新しいゲームを求めています」と締めくくりました。
《animeanime》
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