「CLOCK ZERO」「十鬼の絆」 オトメイト舞台化シリーズに見るライブエンターテイメントビジネスの形  | アニメ!アニメ!

「CLOCK ZERO」「十鬼の絆」 オトメイト舞台化シリーズに見るライブエンターテイメントビジネスの形 

高浩美のアニメ×ステージ&ミュージカル談義:オトメイト舞台化シリーズ第2弾『CLOCK ZERO~終焉の一秒~A-Live Moment』そして第3弾『十鬼の絆』に見るライブエンターテイメントビジネスのひとつの形

連載 高浩美のアニメ×ステージ/ミュージカル談義
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オトメイト舞台化シリーズ第2弾『CLOCK ZERO~終焉の一秒~A-Live Moment』そして第3弾『十鬼の絆』に見るライブエンターテイメントビジネスのひとつの形

高浩美の
アニメ×ステージ&ミュージカル談義
[取材・構成: 高浩美]


■ あくまでも“リアル”にこだわるビジネススタイル、
舞台化だけではない、
ファンが喜ぶ多彩な“ライブな仕掛け”


『CLOCK ZERO~終焉の一秒~A-Live Moment』はオトメイトより2010年11月25日に発売されたプレイステーション2用ソフト『CLOCK ZERO~終焉の一秒~』の舞台化で『華ヤカナリ、我ガ一族~オペラカレイド~』に続くオトメイト舞台化シリーズ第2弾。この一連の舞台化には様々な仕掛けが施されているのが特徴。
『華ヤカナリ、我ガ一族 ~オペラカレイド~再会』の公演中からロビーで第2弾のキャストを発表、千秋楽にはファンも交えての記者会見を行った。つまり、第1弾からすでに第2弾も始まっている、という趣向である。
キャストも第1弾の出演俳優、猪野広樹と櫻井圭登が連続出演、俳優の“連投”という形でも“継続”を形作っている。同じタイトルのシリーズ化で俳優が“連投”するのと違い、キャラクターもストーリーも異なる訳である。それでイメージを継続させようという試みは挑戦的かつ革新的でもある。第3弾もすでに決定、『十鬼の絆~関ヶ原奇譚~』は今年の暮れの上演となる。

実は9月21日、ちょうど公演1週間前だが、品川のジョイサウンドにて『CLOCK ZERO~終焉の一秒~A-Live Moment』の出演者によるトークイベントが開催された。ここまでは“よくある仕掛け”だが、ここで『十鬼の絆~関ヶ原奇譚~』のキャストを一部発表した。
『CLOCK ZERO~終焉の一秒~A-Live Moment』に出演の猪野広樹、日和佑貴、横山真史がキャスティング、また、『華ヤカナリ、我ガ一族~オペラカレイド~』に出演した今井雄太郎もキャスティングされた。しかも猪野は第1弾~第3弾まで連続出演となる。一部の俳優を連続起用しており、さながら“オトメイト劇団”のように見えるが、劇団ではないのでフレキシブルにキャストを決められる。

この“ファジー感”でオトメライブのイメージを構築。またファンクラブも発足、チケット優先予約のような特典だけでなく、お茶会などのイベントも実施する予定である。舞台を観るだけでなく、それ以外の場面でも“ライブエンターテイメント”を体感出来るシステムとなっている。ゲームをアニメ化、コミック化とメデイアミックスするのはよくある手法だが決して“リアル”ではなく、あくまでも2次元である。
先に公演した『華ヤカナリ、我ガ一族~オペラカレイド~』はOVA化、ビッグタイトルの『薄桜鬼』はアニメのみならず、多彩にメディアミックスされており、それがファン拡大につながっているのは周知の通り。しかし、あらゆるライブな手段でキャラクターを重層的にファンに提示する、というこの手法はアナログ的ではあるが、実はバーチャルが発達するとライブの希少性は高まっていくのである。ここを上手くすくい取ってファンに提示し、ビジネスにつなげていくのは、時代の必然とも言えよう。時代の変化とともに“進化”、先が楽しみである。

《animeanime》
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