近年、アカデミックな領域でもマンガやアニメーションへの関心が増している。専門家による両分野の研究は、年々活発になっている。そうした研究を一望する調査報告がとりまとめられ、メディア芸術のハブサイト メディア芸術カレントコンテンツで公開されている。「マンガ・アニメーション研究 マッピング・プロジェクト 調査報告書」とした報告書は、文化庁の委託業務として森ビルがメディア芸術情報拠点・コンソーシアム構築事業として実施した。研究領域が多様で、分断されがちなマンガとアニメーションの研究を俯瞰し、統合的に見ることを目指したものだ。今回はそうした足がかりのひとつとして、まず国内外の主要な研究者や書籍のリストを作成した。マンガ分野とアニメーション分野合わせて90ページあまり、メディア芸術カレントコンテンツのサイトにて無料でダウンロード出来る。マンガ分野では、国内のマンガ研究者と評論家を一覧にし、さらに日本語で読める代表的な著作も整理、紹介する。また、アニメーション分野は「アニメーション研究のためのブックガイド」としている。領域ごとに代表的な文献を集める。十分なリストとは言えないが、今後アニメーション研究を目指す人にとっては指標になるだろう。アニメーションの研究に関していうならば、その領域は、作品論に根差した文学的要素、映像表現の美学的な要素、また社会学的要素、文化人類学的要素、さらに制作方法などの技術、近年はCG分野のテクノロジー、さらにビジネス、歴史とその広がりはかなり大きい。研究の重なりはあるものの、交わりの少ない部分も大きい。それぞれの研究者が他の領域で何が起きているのか、あるいは一歩ひいて全体を知ることは意義が大きいだろう。今回は足掛かりとしており、今後のさらなる取り組みが期待される。「マンガ・アニメーション研究 マッピング・プロジェクト 調査報告書」/http://mediag.jp/project/project/mapping-report.html
“遊郭”ってどんなところ? アニメの舞台にもなる“吉原”“遊女”などの実態を解説した書籍「江戸の色町」が重版 2021.12.3 Fri 11:15 『鬼滅の刃』『さくらん』『江戸モアゼル』をはじめ様々なマン…