仏アングレーム 日本作品も候補に「劇画漂流」「聖おにいさん」など

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 2012年1月26日から29日まで、バンドデシネ、コミックス、マンガなどを一堂に集めたアングレーム国際コミック(バンドデシネ)フェスティバル(Festival International de la Bande Dessinée)2012がフランスで開催される。アングレームはこれらの分野で世界的に知られた存在で、毎年、大きな注目を集める。
 なかでもメイン企画となっているのが、優れた作品をピックアップする公式セレクションである。公式セレクションはフェスティバル主催者が推薦する読むべき作品リストであると同時に、イベント期間中に発表される各賞のノミネートの位置づけにある。本年は58作品がピックアップされた。

 日本マンガの盛んなフランスという土地柄もあり、毎年日本の作品も選ばれる。2012年も5作品が選ばれた。『乙嫁語り』(森薫)、『劇画漂流』(辰巳ヨシヒロ)、『砂の剣』(比嘉慂)、『聖おにいさん』(中村光)、『竹光侍』(松本大洋/永福一成)である。アングレームらしい読み応えのある、際立った個性がある作品が並ぶ。
 一方で、今回挙がった作品は、日本国内でもマンガ賞受賞をするなど、評価の高いものが多い。これまでアングレームは日本と異なる独自の視点が特徴となっていたが、日仏の評価軸がかなり重なってきた印象だ。近年、マンガ、バンドデシネの日仏文化交流が盛んになっていることも反映しているのかもしれない。

 アングレームでは、公式セレクション以外に遺産賞(SÉLECTION PATRIMOINE)、ユースセレクション(SÉLECTION JEUNESSE 2010)、セレクション・ポーラの3部門でも作品を選んでいる。
 遺産賞は歴史に残すべき作品を過去の名作の中からピックアップする。こちらは10作品が選ばれ、こちらは3作品が日本からだ。手塚治虫さんの『ぼくのマンガ人生』、石ノ森章太郎さんの『九頭竜』、『リュウの道』だ。石ノ森作品は昨年も『佐武と市捕物控』が選出されており、今年は2冊、これまでは手塚治虫さんと比べて知名度がやや低かったが、石ノ森作品評価の機運がフランスで高まっているようだ。

 ユースセレクションは、児童作品部門になる。『チーズスイートホーム』(こなみかなた)は、北米でもベストセラーになった作品。また、フランスで創作活動を続けるオオシマヒロユキさんが作画する『CRIME SCHOOL T1 : LA RENTRÉE DES CRASSES』は、日仏の新たな潮流を象徴しているかもしれない。
 セレクション・ポーラには、カネコアツシさんの『SOIL』が選ばれている。日本では「月刊コミックビーム」に連載されたミステリータッチの群像劇である。

アングレーム国際コミック(バンドデシネ)フェスティバル2012
(Festival International de la Bande Dessinée)2012
/http://www.bdangouleme.com/

■ 公式セレクション(日本作品)
 『乙嫁語り』 森薫
 『劇画漂流』 辰巳ヨシヒロ
 『砂の剣』 比嘉慂
 『聖おにいさん』 中村光
 『竹光侍』 松本大洋/永福一成

■ 遺産賞セレクション(日本作品)
 『ぼくのマンガ人生』 手塚治虫
 『九頭竜』 石ノ森章太郎
 『リュウの道』 石ノ森章太郎

■ ユースセレクション(日本作品)
 『チーズスイートホーム』 こなみかなた

■ セレクション・ポーラ(日本作品)
 『SOIL』 カネコアツシ
《animeanime》

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