1974年に放映されたテレビアニメシリーズ『宇宙戦艦ヤマト』が、新たなかたちで蘇ることになった。11月10日の日刊スポーツの報道で明らかになった。 報道によれば、『宇宙戦艦ヤマト2199』とタイトルした映画が、2012年4月7日に劇場公開される。作品は初代ヤマトと呼ばれるシリーズを新たな製作陣、スタッフ陣で再構築したものとなる。監督は『ラーゼフォン』監督やアニメ・特撮のメカデザイン、クリーチャーデザインで知られる出渕裕さんを起用する。 出渕監督は学生の頃に初代『宇宙戦艦ヤマト』を体験した、アニメファン第一世代でもある。ヤマトに影響を受けて育ったクリエイターが、その作品を再構築することになる。 『宇宙戦艦ヤマト』は、1974年のテレビ放映、それに続いた劇場版の大ヒットで、日本のアニメ史におけるエポックメーキングな作品になった。それまでのテレビアニメの多くが子供向けだったなかで、凝ったSF設定を盛り込むなどでテイーン世代からも支持を受けた。 このヒットを受け、その後、数多くの続編がテレビシリーズ化、映画化されるなどビジネスとしても拡大した。近年は2009年12月に初代から17年後のエピソードを描いた『宇宙戦艦ヤマト復活篇』、2010年12月に実写映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』が公開されている。新たなムーブメントを作り上げた。 『宇宙戦艦ヤマト2199』の最大の注目は、初代ヤマトの再構築という点になるだろう。テレビシリーズの再編集版であった1977年の劇場映画、また2010年の『SPACE BATTLESHIP ヤマト』が初代の物語を踏襲した以外は、一連の作品はシリーズの続編、派生との位置づけだった。それが、新規のファン獲得の敷居の高さにもなっていた。 今回は再構築とすることで、ゼロからスタートする作品となる。こうした敷居を大きく引き下げる。もともとストーリー性の評価も高い初代ヤマトだけに、現在の映像表現、演出で蘇る『宇宙戦艦ヤマト2199』が、これまで以上に若い世代にアピールすることも可能だろう。
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