米国の映画芸術科学アカデミーは、11月4日に第84回アカデミー賞の最優秀長編アニメーション賞(Best animated feature film of the year)の選考対象作品を発表した。『タンタンの冒険』や『カーズ2』、『カンフーパンダ2』などのハリウッドの大作映画を中心に18作品が挙がり、その数は近年になく多かった。 今後は選考を経て、2012年1月24日にサミュエル・ゴールドウィンシアターでノミネート作品が明らかにされる。さらに、この中から投票により、受賞作品を決定する。2月26日にハリウッドのコダック・シアターにて行われる授賞式で発表される。
例年より多くの対象作品が挙がったが、例年は何本か含まれる日本からのアニメーション映画はこの中に含まれなかった。日本アニメの一般劇場公開が減り、上映期間の短いイベント上映が増えていることが理由とみられる。アカデミーの決めたノミネート必要要件(上映期間)を満たす作品がほとんどなくなっているためとみられる。 その一方で、芸術性の高さを売りにしたヨーロッパの大人向けの作品がいくつか選考対象に含まれている。チェコのTomás Lunák監督の『Alois Nebel』は、実話をもとにしたコミックを原作とする異色作。『Wrinkles』もヨーロッパで話題を呼んだスペインのコミックを原作としている。 スペインからはもう一作品『Chico & Rita』、さらにフランスの『パリ猫の生き方:Une vie de chat』も含まれる。いずれも2Dアニメーションというのも共通だ。