4月20日から23日まで、イタリアのボローニャで行われた映画祭フューチャー・フィルム・フェスティバル(Future Film Festival:FFF)は、日本の浅香守生監督の『人間失格』をグランプリ(Platinum Grand Prize)に選出した。審査員の講評によれば、本作は「伝統的なテーマを質の高い映像と伴に批評をし、日本と西洋の映像芸術、物語芸術により表現されている」とする。 『人間失格』は、太宰治原作の名作小説を現代のアニメとして映像化したものである。マッドハウスが制作した巨匠の名作のアニメ化シリーズ「青い文学シリーズ」の一編である。本シリーズはマッドハウスの若手監督が異なるエピソードを監督し、その競演が注目を集めた。 『人間失格』は、当初テレビシリーズ4話分で放映、その後、劇場版としてあらたに編集されている。今回は時代を超えて観る者を惹きつける太宰治の物語の魅力と、それを現在の映像と演出で蘇らせた浅香監督の手腕が評価されたかたちだ。