2011年の第42回星雲賞の参考候補作が、このほど発表された。候補作は、日本長編部門(小説)、日本短編部門(小説)、海外長編部門(小説)、海外短編部門(小説)、メディア部門、コミック部門、アート部門、ノンフィクション部門、自由部門の9つのカテゴリー、およそ60作である。いずれも2010年1月1日から12月31日までに公開、発表、完結したものだ。
 星雲賞は1970年に、SFファンが面白かった作品に感謝の気持ちを示すとの趣旨でスタートしたものである。毎年行われる日本SF大会の参加者の投票によって選出される。同時に、日本を代表するSF関連の賞として注目を浴びている。

 本年も9月3日と4日、静岡県コンベンションアーツセンター「グランシップ」(静岡市)で開催される第50回日本SF大会(愛称:ドンブラコンL)に参加するファンが投票する。参考候補作は、この投票の際の参考として選出したもので、実際の受賞作も参考候補作から選出されることが多い。
 投票はドンブラコンL の公式サイトでスタートしており、8月頃に受賞作の発表を予定する。また星雲賞授与式は、ドンブラコンLにて開催される。

 星雲賞はSFファンによる賞ではあるが、日本SFと同様にその領域は広い。国内外の短長編SF小説のほか、メディア部門ではアニメ・特撮、舞台芸術まで、さら各部門でコミック、ノンフィクションまで、SF的であるほとんどのものが網羅される。自由部門の「探査機「はやぶさ」の地球帰還」、その帰還ライブ中継、iPadの日本発売などはその代表とも言えそうだ。

 アニメの受賞も多いメディア部門では『四畳半神話大系』、『宇宙ショーへようこそ』のふたつが参考作品に挙がっている。また、『仮面ライダーW』、『侍戦隊シンケンジャー』もあり、近年盛り上がりを見せる特撮ブームの勢いを感じさせる。また、ノンフィクション部門の『SFアニメを科楽する! 福江流SFアニメと科学と”美少女”の楽しみ方』も注目。
 コミック部門は8作品が挙がった。日本作品に交じり米国の『キック・アス』もある。こちらも近年アメリカン・コミックスへの注目が国内で増していることも影響してそうだ。

日本SF大会 公式サイト   http://www.sf50.jp/

[日本長編部門(小説)]
『華竜の宮』 上田早夕里
『去年はいい年になるだろう』 山本弘
『どろんころんど』 北野勇作
『不動カリンは一切動ぜず』 森田季節
『エンドレス・ガーデン ロジカル・ミステリー・ツアーへ君と』 片理誠
『ペンギン・ハイウェイ』 森見登美彦
『スワロウテイル人工少女販売処』 籘真千歳

[日本短編部門(小説)]
「allo,toi,toi」 長谷敏司
「アリスマ王の愛した魔物」 小川一水
「五色の舟」 津原泰水
「囚人の両刀論法」 小林泰三
「テルミン嬢」 津原泰水
「マグネフィオ」 上田早夕里
「あがり」 松崎有理

[海外長編部門(小説)]
『異星人の郷』 マイクル・フリン/嶋田洋一
『WORLD WAR Z』 マックス・ブルックス/浜野アキオ
〈ファージング三部作〉(『英雄たちの朝』『暗殺のハムレット』『バッキンガムの光芒』) ジョー・ウォルトン/茂木健
『時の地図』 フェリクス・J・パルマ/宮崎真紀
『ハンターズ・ラン』 ジョージ・R・R・マーティン/ガードナー・ドゾワ/ダニエル・エイブラハム/酒井昭伸
『アンランダン』 チャイナ・ミエヴィル/内田昌之
『創世の島』 バーナード・ベケット/小野田和子

[海外短編部門(小説)]
「息吹」 テッド・チャン/大森望
「光線銃――ある愛の物語」 ジェイムズ・アラン・ガードナー/金子浩
「クリスタルの夜」 グレッグ・イーガン/山岸真
「第六ポンプ」 パオロ・バチガルピ/中原尚哉
「マン・イン・ザ・ミラー」 ジェフリー・A・ランディス/小野田和子
「月をぼくのポケットに」 ジェイムズ・ラヴグローヴ/中村融
「彼らの生涯の最愛の時」 イアン・ワトスン&ロベルト・クアリア/大森望

[メディア部門]
『第9地区』
『四畳半神話大系』
『仮面ライダーW』
『宇宙ショーへようこそ』
『侍戦隊シンケンジャー』
『時をかける少女』
『宇宙犬作戦』

[コミック部門]
『鋼の錬金術師』 荒川弘
『惑星のさみだれ』 水上悟志
『夏のあらし!』 小林尽
『兵器局非常識機材関連開発室ヴンダーカンマー』 西川魯介
『SARU』 五十嵐大介
『キック・アス』 マーク・ミラー (著), ジョン・ロミータJr. (イラスト), 光岡三ツ子 (翻訳)
『ベントラーベントラー』 野村亮馬
「SF大将特別編 万物理論[完全版]」 とり・みき

[アート部門]
加藤直之
大石まさる
中村豪志
岩郷重力
中川悠京
星野勝之
竹岡美穂

[ノンフィクション部門]
『ぼくらが夢見た未来都市』 五十嵐太郎/磯達雄
『サはサイエンスのサ』 鹿野司
『二十世紀から出てきたところだけれども、なんだか似たような気分』 鏡明
『東京創元社文庫解説総目録』 高橋良平+東京創元社編集部
『SFアニメを科楽する! 福江流SFアニメと科学と”美少女”の楽しみ方』 福江純
『科学と神秘のあいだ』 菊池誠

[自由部門]
<探査機「はやぶさ」(第20号科学衛星MUSES-C)の地球帰還>
<小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS(イカロス)」の光子加速確認>
『ロボットと美術~機械×身体のビジュアルイメージ~』
<SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー>
<和歌山大学宇宙教育研究所による、「はやぶさ」帰還ライブ中継>
《animeanime》