伝奇時代小説の大家 山田風太郎さんがなくなってから今年で10年目を迎える。この没後10年に合わせて、山田風太郎さんの作品が映像化され劇場のスクリーンに蘇る。1990年代に一斉を風靡した『くノ一忍法帖』シリーズだ。 映画『くノ一忍法帖 影ノ月』が、6月4日銀座シネパトスほかにて、レイトショー公開される。『くノ一忍法帖』シリーズは山田風太郎さんの代表作「忍法帖」シリーズに連なる作品だ。1960年代にふたつの劇場映画が制作された後、90年代に3本の劇場映画と5本のオリジナルビデオが大ヒットとなった。人気の秘密は、美しい女性たちが闘う「くノ一」という設定にある。 2011年に登場する本作も、ホットな女優たちが演じるくノ一たちの愛と使命、そして彼女たちの奇想天外な忍法だ。2010年代ならでこそ実現した豊富なVFXシーンと映像も見どころになる。女優陣は阿部真里さん、西野翔さん、森下悠里さん、水谷ケイさん、亜紗美さんらである。 映画の舞台は、江戸期享保の時代。質素倹約の改革を推し進める徳川八代将軍吉宗と派手好みの尾張藩主の徳川宗春の対立を背景とする。吉宗の過去の愛妾を暴き、スキャンダルを起こすため甲賀の忍を操る宗春とその前に愛妾たちを全て殺すことを紀州のくノ一に命ずる吉宗、忍法合戦の火蓋が切って落とされる。 原作の山田風太郎さんは、『魔界転生』や『柳生忍法帖』など数々の伝奇小説を生みだした奇才だ。映画化、マンガ化された作品も数多い。せがわまさき さんが『甲賀忍法帖』を原作にした『バジリスク』をさらにアニメ化した2005年のテレビシリーズが知られている。傑作と評価の高い作品だ。 その物語の豊かさ、奇想天外さはよく知られたところだ。2011年の『くノ一忍法帖 影ノ月』が、今度はどのように映像表現するか注目だ。『くノ一忍法帖 影ノ月』公式サイト /http://9no1.com/2011年6月4日(土)銀座シネパトスほかにて、レイトショー映倫: R15+ (C)2011山田風太郎/映画「くノ一忍法帖」製作委員会