変わって大きく注目されたのは、青林工芸舎の『AX』の作品をアンソロジーとした『AX: Alternative Manga』である。パブリッシャズーウィークリ―、io9、ダイヤモンド・ブック・ディズトリビューション・アワード、グラフィックノベルレポーターなどに選ばれている。2010年に最も批評家筋に注目されたマンガと言えそうだ。 『AX』への関心は、過去1、2年、米国の出版界で静かに広がるメインストリーム以外の作品への高まりを反映していそうだ。それは学校図書館ジャーナルとグラフィックノベルレポーターのふたつに選ばれた『ふたつのスピカ』、同じく学校図書館ジャーナル選出の『70億の針』の国内連載誌が「コミックフラッパー」であったり、「IKKI」連載の『土星マンション』、『金魚屋古書店』などのタイトルが挙がっていることからも窺える。あるいはこれまであまり振り向かれることの少なかった過去の名作 萩尾望都さんの短編集『「酔夢」ほか』などにもそうした傾向は表れている。
■ io9 10 グラフィックノベル(コミックスを読んだことのない人の贈物に最適な) 「AX: Alternative Manga」
■ DBD(ダイヤモンド・ブック・ディズトリビューション) アワード 2010 8作品の内 「AX: Alternative Manga」
■ 学校図書館ジャーナル The Best Comics for Kids 2010 BEST NEW COMICS FOR YOUNG READERS 6作品の内 「チーズスイートホーム」 こなみかなた BEST NEW COMICS FOR TWEENS 9作品の内 「ふたつのスピカ」 柳沼行 BEST NEW COMICS FOR TEENS 9作品の内 「70億の針」 多田乃伸明
■ ヤングアダルト図書館サービス協会(YALSA) Great Graphic Novels for Teens トップ10 「土星マンション」 岩岡ヒサエ