オタワ国際アニメフェス 「ONE PIECE」や「緑子」が長編コンペに | アニメ!アニメ!

オタワ国際アニメフェス 「ONE PIECE」や「緑子」が長編コンペに

オタワ国際アニメーションフェスティバル。アヌシー国際アニメーション映画祭に引き続き、日本のアーティスト、作家の活躍が目立っている。

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 世界4大アニメーションフェスティバルのひとつとして知られるオタワ国際アニメーションフェスティバル(Ottawa International Animation Festival :OIAF)が、10月20日から24日までカナダで開催される。そしてその公式出品作が既に発表されている。今年は74ヶ国から応募された2091作品の中からコンペティション90作品、ショウケース56作品が選ばれた。
 このなかでアヌシー国際アニメーション映画祭に引き続き、日本のアーティスト、作家の活躍が目立っている。日本アニメーションの国際的な注目が高まっているのを感じさせるものだ。

 5作品が挙げられた長編アニメーション部門では、うち2作品が日本からだった。昨冬、国内で興収48億円もの大ヒットとなった劇場アニメ『ONE PIECE FILM Strong World』(境宗久監督)と黒坂圭太監督の『緑子』である。『ONE PIECE FILM Strong World』は、アヌシーの長編部門のコンペに続くもので、日本のエンタテイメント作品としては異例の連続出品となる。
 黒坂圭太氏は、これまで短編アニメーションで芸術性の高い作品を手掛けてきた。『緑子』は初の長編作品として注目されている。
 マスマーケットに向けたエンタテイメント作品とインディペンデント映画という対称的な2作品がノミネートされ、日本のアニメーション表現の豊かさを反映している。このほか長編部門には、英国のフィル・ムロイ監督の『Goodbye, Mister Christie』、米国ブレント・グリーン監督の『Gravity Was Everywhere Back Then』、『ベルヴィル・ランデブー』で知られるシルヴァン・ショメ監督の新作『The Illusionist』 がコンペティションに選ばれた。

 短編アニメーションでは、水江未来さんの『PLAYGROUND』、大山慶さんの『HAND SOAP』の2作品が日本から選ばれた。いずれも海外のアニメーション映画祭で実績を重ねてきたアーティストである。オタワでも活躍が期待される。
 学生部門ではザグレブ、アヌシーに引き続き、東京藝術大学大学院映像研究科の躍進が注目だ。大学院部門に選ばれた4作品のうち3作品が同校の学生のものだった。奥田昌輝さんの『くちゃお』、大見明子さん『収集家の散歩』、和田淳さん『わからないブタ』である。最後の1作品は多摩美術大学 橋本新さんの『葬儀屋と犬』が選ばれた。
 さらに大学部門では、京都精華大学マンガ学部アニメーション科の石田祐康さんによる『フミコの告白』が選出された。日本ではインターネット上に投稿された作品が大きな話題を呼び、様々な賞に輝いた作品である。
 このほかコンペティション外の公式作品として、スチューデン・ショーケースに日本から3作品が選ばれている。これはいずれも東京藝術大学大学院映像研究科の学生の作品である。

 出品作だけでなく、審査員でも日本勢が活躍している。長編アニメーション部門の3人の国際審査委員には、日本の和田淳さんが加わっている。和田淳さんは『鼻の日』などで知られる若手のアーティストで、毎年若手の登用に力を入れるオタワらしい人選となっている。
 また、短編アニメーション、学生、商用アニメーション部門でも国際審査委員3人のうち1人は、米正万也さんである。米正万也さんは抽象アニメーションに取り組んでおり、特に海外での活動が多く、高い評価を受けている。
 オタワ国際アニメーションフェスティバルは、数あるアニメーション映画祭のなかでもその質で、近年注目が増している。その中での今年の日本の活躍は、目が離すことが出来ない。

オタワ国際アニメーションフェスティバル
(Ottawa International Animation Festival :OIAF)
/http://www.animationfestival.ca/
《animeanime》
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