アニメ監督 今敏さん逝去 「パプリカ」、「千年女優」など残す

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 『パプリカ』や『千年女優』などの作品で国際的にも高い評価を受けてきたアニメ監督今敏さんが、8月24日朝に癌のため逝去した。46歳だった。今監督の急逝がファンや関係者らに驚きを与えると共に、その早すぎる死を悼む声が広がっている。
 今敏監督は武蔵野美術大学を卒業、マンガ家としてデビュー、『ワールドアパートメントホラー』などの代表作を残した。アニメの監督としては1997年の『PERFECT BLUE』でデビュー、現実と非現実が交錯する映像と物語が高い評価を受けた。夢と現実の交錯は、その後も今監督の主要なテーマとなり2001年の『千年女優』、2006年の『パプリカ』へと引き継がれて行く。
 また、劇場映画の監督とのイメージが強い今敏監督だが、2004年には『妄想代理人』でテレビシリーズにも取り組んでいる。こちらも特に海外での評価が高い作品だ。

 緻密な構成と目まぐるしく変化するストーリー、そして作品を制作するマッドハウスの技術力の高さもあり、『PERFECT BLUE』以降、今監督の評価は国内外で急激に高まった。国内では2002年に『千年女優』が文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞、毎日映画コンクール大藤信郎賞を受賞、2003年に『東京ゴッドファーザーズ』が毎日映画コンクールアニメーション映画賞、デジタルコンテンツグランプリ 経済大臣賞を受賞など、幾つもの大きな賞に輝いている。
 海外でも『東京ゴッドファーザーズ』のシッチェス国際映画祭最優秀アニメーション映画観客賞受賞などをしている。こうした評価が2006年の『パプリカ』のヴェネチア国際映画祭コンペティション部門正式出品につながった。

 実際に、今監督の評価は海外で特に高い。日本アニメの劇場公開がほとんど行われない欧米地域でも各作品が公開されており、その名前はアニメファンだけでなく、映画ファンなどに知られている。
 1990年代後半から、日本アニメの国外での評価が急激に高まったことはよく知られている。そうした評価を牽引したのは、スタジオジブリの宮崎駿監督、『攻殻機動隊』の押井守監督、『AKIRA』の大友克洋監督らだが、こうした監督らに続く新世代の才能として国際的に注目されていた。日本のアニメ界は、次世代のトップランナーの一人を失ったことになる。
 『パプリカ』以降は、これまでも共に制作してきたマッドハウスにて、オリジナル劇場映画『夢みる機械』の監督に携わっていた。生前の今敏監督は、本作をしばしば子どものためのアニメと説明していた。今監督のもとで完成していればまた新しい今敏の世界が創られていただけに、その逝去が惜しまれる。

今敏 公式サイト /http://konstone.s-kon.net/

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