米国アニメーション賞レース カールじいさん健闘 ポニョ苦戦 | アニメ!アニメ!

米国アニメーション賞レース カールじいさん健闘 ポニョ苦戦

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 近年、世界的にアニメーション映画の製作、劇場公開が増えている。これは大作映画が大きな力を持つ米国でも同じだ。2009年の米国アカデミー賞では、長編アニメーション部門の選考対象に20本もの作品を挙げ、7年ぶりにノミネート作品を3本から5本に増やすことになっている。
 作品ラインナップの多様化は、年末年始恒例の映画界の賞レースにも大きな影響を与えているようだ。2009年の賞レースの前半が終わった時点の各賞の結果をみると、大作3DCG離れが鮮明になっている。

 前評判の高かったディズニー/ピクサーの『カールじいさんの空飛ぶ家』は、予想通り強みを発揮している。現在、ノミネート作品が発表されている アニー賞、ゴールデングローブ賞、放送映画批評家協会賞全てに名前を連ねる。
 ボストン映画批評家協会、フロリダ映画批評家協会賞、サンディエゴ映画批評家協会、ナショナル・ボード・オブ・レビュー(米国映画批評協議会)で受賞、さらに一般の作品賞や監督賞などでもノミネートされるケースが多い。

 しかし一方で、本年1作品だけを公開したドリームワークスアニメーションの『モンスターVSエイリアン』はその興行の大きな成功とは裏腹に、主要な賞での受賞、ノミネートはなかった。同様に『クリスマス・キャロル』、『アイスエイジ3』、『ATOM』も賞レースから見放されている。
 宮崎駿監督の『崖の上のポニョ』も苦戦する。アニメーションのアカデミー賞と称されることもあるアニー賞では監督賞、音楽賞では候補に挙がったが、作品賞では候補作に残らなかった。他の賞でも、現状で作品賞の受賞、ノミネートに至っていない。年明けのアカデミー賞に期待をつなげるかたちだ。

 そうした中で、高い評価を集めているのは、大作3DCGからやや距離を置いた作品群である。米国映画界の2大拠点であるロサンゼルス、ニューヨークの双方の批評家協会では、ストップモーションアニメーションの『Fantastic Mr. Fox』を長編アニメーション賞に選び出した。『Fantastic Mr. Fox』は長年人気の高い児童小説を映像化した作品である。
 『コララインとボタンの魔女 3D』も児童文学を原作にしたストップモーションアニメーション。こちらも各賞のノミネートに軒並み選ばれている。アメリカ映画協会(AFI)2009年ベスト10映画では、アニメーションからは『カールじいさんの空飛ぶ家』と伴に選出され、アニー賞ではノミネート数が最多などその評価の高さが目立つ。『Fantastic Mr. Fox』と共に、賞レース後半の台風の目となりそうだ。

 児童文学人気は、『くもりときどきミートボール』にも共通している。3DCGの大型映画では『カールじいさんの空飛ぶ家』と伴に各賞に名前を連ねる数少ない作品となった。こちらも1978年に発売された絵本を原作とする。実写映画でも長年のベストセラー絵本『かいじゅうたちのいるところ』が映画化されるなどハリウッドは時ならぬ、児童文学ブームのようだ。
 久々のディズニーによる2Dアニメーション『プリンセスと魔法のキス』も、ディズニーの古い伝統であるお伽噺スタイル、ミュージカルスタイルを取っている。長編アニメーション映画では子供向けの良質の物語映画を評価して行きたいというのが、2009年の米国アニメーション界の流れなのかもしれない。 

■ アニー賞長編アニメーション賞候補作品
 『くもりときどきミートボール』
 『コララインとボタンの魔女 3D』
 『Fantastic Mr. Fox』
 『プリンセスと魔法のキス』
 『The Secret of Kells』
 『カールじいさんの空飛ぶ家』

■ ゴールデングローブ賞長編アニメーション賞候補作品
 『くもりときどきミートボール』
 『コララインとボタンの魔女 3D』
 『Fantastic Mr. Fox』
 『プリンセスと魔法のキス』
 『カールじいさんの空飛ぶ家』

■ 放送映画批評家協会賞長編アニメーション賞候補作品
 『くもりときどきミートボール』
 『コララインとボタンの魔女 3D』
 『Fantastic Mr. Fox』
 『プリンセスと魔法のキス』
 『カールじいさんの空飛ぶ家』

■ NY映画批評家協会賞
 『Fantastic Mr. Fox』
■ ロサンゼルス映画批評家協会賞
 『Fantastic Mr. Fox』
   次点: 『カールじいさんの空飛ぶ家』
■ ボストン映画批評家協会賞
 『カールじいさんの空飛ぶ家』
■ フロリダ映画批評家協会賞
 『カ ールじいさんの空飛ぶ家』
■ サンディエゴ映画批評家協会
 『カールじいさんの空飛ぶ家』
■ ナショナル・ボード・オブ・レビュー(米国映画批評協議会)
 『カールじいさんの空飛ぶ家』

■ アメリカ映画協会2009年 ベスト10 
 『コララインとボタンの魔女 3D』
 『カールじいさんの空飛ぶ家』

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