ゴンゾ 通期業績予想と実績の差異について理由公表

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 6月3日に平成21年3月期通期決算の発表を行ったアニメ製作会社のゴンゾは、通期決算の実績が業績予想から差異が出た理由について明らかにしている。これは同社の決算と平成21年2月13日の第3四半期決算短信、平成20年11月10日の業績予想修正との差異について説明するものである。
 同社の通期の営業損失は21億2000万円、経常損失は23億5100万円、当期純損失は34億100万円である。これはそれぞれ当初予想より7億4000万円、8億4300万円、18億100万円と損失が増加している。

 ゴンゾはこうした予想との差の理由について、昨今の厳しい経済環境を挙げている。そしてアニメ業界では映像の需要がブロードバンドへシフトしDVD市場が低迷していること、北米市場の状況が厳しさを増していることが影響しているとする。
 こうした状況からゴンゾは、グループ資産をより厳しく、保守的に資産評価したことから、当初見込まなかった損失が発生したと見られる。

 特に、ゴンゾが挙げた減益要因には、製作・制作への投資に対する評価損の計上が目立つ。まず営業利益では、一般には製作委員会などの出資であるアニメ製作の出資金の評価損を3億7800万円計上している。さらに、アニメ制作の仕掛金の評価損を2億9800万円とするなど、製作・制作したアニメ作品からの利益回収が厳しいと予想している。
 しかし、一方で当初見込みより増収要因となったものとして、『ストライクウィッチーズ』DVD売上と『アフロサムライ』ゲームからの分配収入2億4900万円を挙げている。作品のヒットに左右される製作投資の難しさが表れている。

 また、経常利益面で大きなマイナス要因となったのは、株式売却による損失である。ゴンゾは、平成21年3月期にゴンゾロッソとタブリエ・コミュニケーションズの全持株を売却した。
 しかし、その株式の取得価格と売却価格に差異があったことから、それぞれから5億7800万円、1900万円の売却損が出た。一方、GDHキャピタルの売却からは3300万円の利益が出ている。

 さらに、米国のアニメ動画配信サイトのクランチロール(Crunchyroll)への出資からも評価損が発生している。これは同社の現在の業績を鑑みたものとしており、投資した株式の評価損額は1億8000万円となった。
 このほか株券交付費や、アニメ制作受注の解約による特別損失、固定資産の減損処理などからの損失もある。それらが積みあがった結果、ゴンゾの決算は当初の想定より厳しいものとなったようだ。

ゴンゾ /http://www.gonzo.co.jp/

【ゴンゾ 連結営業利益差異発生に関する主な要因】

(+要因)
・ コンテンツ版権からの分配収入(『ストライクウィッチーズ』DVD売上、『アフロサムライ』ゲーム売上)
    △2億4900万円(当初見込みより)
・ リストラ効果
    △4600万円

(-要因)
・ アニメ製作出資金の評価損
    ▼3億7800万円
・ アニメ制作仕掛け金の評価損
    ▼2億8900万円(当初見込みは1億8000万円)
・ アニメ作品の納品の遅れによる収益未達
    ▼9400万円
・ オンラインゲーム事業の収益未達
    ▼2億9200万円

【ゴンゾ 連結経常利益差異発生に関する主な要因】

*営業利益の要因に加えて下記の要因

(+要因)
・ 当初見込みの為替差損の未発生
    △1億円
・ 株式売却益(GDHキャピタル)
    △3300万円

(-要因)
・ 株券交付費
    ▼6200万円
・ アニメ製作貸し倒れて引当金の戻し入れの未実現
    ▼1億3200万円
・イズミプロジェクトに対する貸し倒れ引当金
    ▼5300万円
・ 株式売却損(ゴンゾロッソ、タブリエ・コミュニケーションズ)
    ▼5億9700万円
・ 株式評価損の計上(Crunchyroll社)
    ▼1億8000万円
・ アニメ制作受注の解約による特別損失
    ▼1億8500万円
・ 固定資産の減損処理
    ▼1億7700万円
《animeanime》

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