第29回日本SF大賞に「電脳コイル」磯光雄氏ら

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 日本SF作家クラブは12月2日、第29回日本SF大賞にテレビアニメ『電脳コイル』と『新世界より(上・下)』を決定した。『電脳コイル』は磯光雄氏が原作・監督を手掛けた作品で、『新世界より(上・下)』は、貴志祐介氏のSF小説である。
 今回はこの受賞2作品のほか、円城塔氏の『Boy's Surface』、山本弘氏の『MM9』、高野史緒氏の『赤い星』を含む5つの候補作品で受賞が争われた。    

 今回は異例の2作品同時受賞となったが、これはSF大会の歴史で5回目、2002年以来のことである。また、『電脳コイル』は、今回候補作品にあがった唯一のアニメ作品であった。
 日本SF大賞は、SF小説だけでなく、評論やマンガ、映像作品、音楽などSFに関するあらゆる分野が選考の対象となる。これまでにも小説以外からマンガや特撮映画、アニメなども受賞をしたことがある。昨年の受賞作品は最相葉月氏の書いたノンフィクション『星新一 一〇〇一話をつくった人』、一昨年は萩尾望都氏のマンガ『バルバラ異界』である。  

 これまでアニメが受賞したのは、1997年第18回の『新世紀エヴァンゲリオン』(庵野秀明) と2004年第25回の『イノセンス』(押井守)の2回だけである。今回は、アニメ作品としては3度目の快挙となる。
 『電脳コイル』は、原作、監督、脚本を全て磯光雄氏が手掛けた作家性の高い作品だ。電脳世界へどこからでもアクセス出来る電脳メガネが発明された近未来が舞台になっている。

 作品は本来子供向けとして制作されたが、近年に数少なくなった完全オリジナルのテレビアニメシリーズ、細かな設定や独特の世界観から年齢を超えたファンから支持された。
 作品への評価は高く、これまでに文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞や東京アニメアワードテレビアニメ部門優秀賞、磯光雄監督自身のアニメーション神戸個人賞などを受賞している。さらにSFファンの投票による星雲賞メディア部門も今年の受賞しており、今回の日本SF大賞でSF関連の2つの賞を合わせて獲得したことになる。

 もうひとつの受賞作品『新世界より』は、念動力が一般化した未来が舞台となるSF小説である。上下巻に分かれた長大な物語となっている。貴志祐介氏は、SF作品だけでなく、ホラー小説でよく知られた存在で、代表作に『黒い家』などがある。
 また、日本SF大賞に合わせて、第10回日本SF新人賞の受賞作品も発表されている。こちらも受賞作品は2作品で、天野邊氏の『プシスファイラ』と杉山俊彦氏の『競馬の終わり』が選ばれた。

日本SF作家クラブ /http://www.sfwj.or.jp/

電脳コイル公式サイト(NHK) /http://www3.nhk.or.jp/anime/coil/
電脳コイル公式サイト(徳間書店) /http://www.tokuma.co.jp/coil/
《animeanime》

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