第20回CGアニメコンテスト 活躍際立つ出身者 | アニメ!アニメ!

第20回CGアニメコンテスト 活躍際立つ出身者

レビュー そのほか

 5月5日に東京、24日に大阪にてPROJECT TEAM DoGA主催による第20回CGアニメコンテストの入選作品上映会が行われた。
 CGアニメコンテストは、国内で最も長いCGアニメーションのコンテストである。毎年応募総数は、400作品を越えるなど規模の面で国内最大となっている。

 第20回の節目のあたる今回は、アート的な作品が多かったという意見も見られた。カナダと日本の若手アニメーション作家の紹介と交流を図るCJax代表の伊藤裕美氏も加わっていたからという見方も出来るかも知れない。ただ、他の審査員を見てみてもほぼ例年通りで大幅な変化はなく、そこまで影響はないと思ってよいだろう。
 また2000年の第12回に新海誠氏が『彼女と彼女の猫』でグランプリを受賞して以降、手描きの作品が増えたという話もDoGA代表のかまたゆたか氏からなされた。手描きのアニメーションというとセル塗り的な作品を思い浮かべるかも知れないが、アート的と称される作品も基本的に手描きである。
 さらに同時に、美大・芸大の卒業制作の応募も増加を始めたので、相対的に2D作品が目立つ結果になっている。

 アート的な作品が多い美大・芸大の中でも、CGアニメコンテストにおいて特徴的なのが大阪芸術大学の出身者である。これまで、彼らのエンターテインメント的な作品が度々会場を沸かせてきた。
 今回も『アメリカ大統領アメリちゃん』で入選のAHOBOY☆ヒロシ氏と『胃の三太郎』で外伝大賞の山岸たかお氏がいる。山岸氏は第14回では『絶対無双麻雀マン』で佳作も受賞している。
 AHOBOY☆ヒロシ氏は現在フリーの演出家でもあるので、東京会場での座談会ではその辺りについても語っていた。大阪会場では山岸氏が、商業アニメの場で活躍するAHOBOY☆ヒロシ氏の担当の回の『ハヤテのごとく!』や『天元突破グレンラガン』に作画で参加していることについて触れた。

 CGアニメコンテストでは、毎年、座談会とは別に出身者の近況報告コーナーもある。今回は過去最多の8名が壇上で報告を行った。
 TVシリーズ『アップルシード・ジェネシス』を制作中のロマのフ比嘉氏や、『イヴの時間』第1話を東京国際アニメフェア2008で公開した吉浦康裕氏、井端義秀氏と青木純氏、岸本真太郎氏らである。井端氏と青木氏は、ネット配信用に赤塚不二夫のマンガをアニメ化した『へんな子ちゃん』の監督である。また、岸本氏は、特撮テレビ番組『ケータイ捜査官7』の制作に参加している。

 近況報告の中でも興味深かったのは、昨年『細胞の世界』で外伝だった瀬尾拡史氏である。瀬尾氏は現役の東大医学部の学生でありながら2006年にデジタルハリウッドで3DCGを学んだ。
 壇上に立った瀬尾氏は、来年5月から開始される裁判員制度で遺族の心理的負担を和らげるために、写真の代替としてCGを採用することが決定したことについて述べた。実際に瀬尾氏が属する研究室が担当することになっており、CGの予算もつくようだ。瀬尾氏は5月17日にアップルストア銀座でもプレゼンを行い、その模様はNHKやTBSなどでも放送されている。

 さらに「パーソナルCGアニメ The BEST」DVDの紹介では青山敏之氏と北田清延氏の『PROJECT-WIVERN』や渡辺哲也氏の『超獣ロボ リューセイバー』といった商業方面へ影響を及ぼした作品も一部上映された。このDVDは通常の作品集DVDに加えて、CGアニメコンテスト20年を記念として発売されたものである。
 同時に三ツ木淳氏の『MACHINE VISUALIZATION vol.2』や下岡正道氏の『HOUND'93』といった学術的なアプローチの作品も上映されている。このため上映会全体を通してみると、理工学系から法医学までの歴史を辿る充実ぶりになった。
【真狩祐志】

第20回CGアニメコンテスト 審査結果 /http://doga.jp/contest/con20/

当サイトの関連記事
/第20回CGアニメコンテスト 受賞・入選作品発表
/国別対抗CGアニカップ 日本代表クリエイター3名を発表
《animeanime》
【注目の記事】[PR]

特集