東京国際アニメフェア「中国アニメ産業事情」レポート | アニメ!アニメ!

東京国際アニメフェア「中国アニメ産業事情」レポート

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 3月27日、東京国際アニメフェアの会場で、中国のアニメーション産業にフォーカスするシンポジウム「中国のアニメ産業最新事情と日中間連携の可能性」が開催された。シンポジウムは、日本貿易振興機構(ジェトロ)が主催するものである。
 今回のアニメフェアでジェトロは、「ヨーロッパのアニメ産業」と「中国のアニメ産業」のそれぞれでシンポジウムを設けた。ヨーロッパの関するものは現地調査の報告というかたちであったのに対し、中国のほうは現地のビジネス関係者が生の声を伝える対照的なものとなった。

 今回のシンポジウムは、日本の動画協会にあたる中国動画学会の貢建英副会長、周鳳英北京輝煌動画公司総経理、張麗華上海天絡行有限公司総経理の3人が、それぞれ中国アニメ産業の当時者として現状を語った。
 シンポジウムで感じたのは、過去数年で中国のアニメーション産業の様子がかなり変わったことである。正直に言えば、ほんの3、4年前でも、中国のアニメ産業はあまりにも未成熟で、アニメ作品自体は勿論、キャラクタービジネスや二次利用なども含めて産業としての収益モデルが存在しないように見えた。
 そして、中国のアニメに関する発表と言えば、いかに国がアニメ産業に力を入れているか、生産規模の伸びの誇示、共同事業の有利さのアピールという印象が強かった。

 しかし今回は、中国のアニメ産業が急速に産業としての基盤をかためつつあることを感じさせた。上海天絡行有限公司の張麗華氏の講演は、これまで中国企業が弱いとされていたアニメのライセンスビジネスの現状であった。そこでは海外のキャラクターが中国市場で成功しにくい背景などが語られた。
 また、北京輝煌動画公司の周鳳英氏の講演も、アニメから派生した絵本やライセンス展開を紹介した。最早、アニメ作品からライセンスビジネスを展開することは中国でも、当然と受け止められているようである。
 そうしたビジネス展開の可能性を背景に、海外との共同製作を視野に入れているようだ。それは数々の共同製作の成功例を紹介した、中国動画学会の貢建英氏にも通じるものである。

 中国のアニメ市場は、日本ではゴールデンタイムの海外アニメの放映禁止などに見られる閉鎖的な市場とのイメージが強い。
 しかし、これまでもそうであったように、中国行政の方針とは別に、企業レベルでは日本と事業をしたいとの要望が強い。そして、産業保護政策がなくなることを期待する声もある。
 中国政府の方針が短期間に急激に変わるのは難しいが、もしそうした規制がなくなれば、日中のアニメビジネスでの提携は急激に拡大するかもしれない。

日本貿易振興機構  /http://www.jetro.go.jp/

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