良質なアニメーション映画を広く紹介する三鷹の森ジブリ美術館ライブラリーは、2008年7月19日からロシアの人形アニメーション『チェブラーシカ』を劇場公開する。 『チェブラーシカ』は、1967年に出版されたエドゥアルド・ウスペンスキーさんの『わにのゲーナ』という児童文学をもとに制作している。ロシアアニメーションの巨匠であるロマン・カチャーノフさんが監督をしている。アニメーションは今ではあまり作られなくなった人形アニメーションとなっており、作品に登場するキャラクターは、ロシアなら誰でも知っているほど人気が高い。 ロマン・カチャーノフさんは1921年ソビエト連邦生まれ、ソビエト時代のロシアのアニメーション界で活躍した。代表作には短編映画『ミトン』(1967)などがある。その弟子には、現在のロシアのアート・アニメーションシーンを支えるユーリー・ノルシュテインさんがいる。 『チェブラーシカ』その奇妙に愛嬌のある姿で、キャラクターとして日本でも人気があるが、そのアニメーション映像は、これまであまり紹介されることが少なかった。今回はこの隠れた名作の魅力を紹介する。 物語はロシアのある街の果物屋で始まる。オレンジの箱に入った正体不明の動物が見つかったサルのようなクマのような、けれどもどこか違う動物。箱から出てもばったり倒れてばかりで、「チェブラーシカ(ロシア語でばったり倒れ屋さん)」と名づけられる。 ワニのゲーナと大親友になったり、お友達の家を皆で作ったり、ピオネールという少年隊に憧れたり、ゲーナとアドベンチャーの旅に出たりと、チェブラーシカの冒険が続く。今回はこの『チェブラーシカ』の全4話を完全版として上映する。 同ライブラリーは現在、初めて取り上げる日本作品として高畑勲、宮崎駿両監督がスタッフに参加する初期の名作『パンダコパンダ』を上映している。今回は再び世界に目を向け、ロシアの国民的アニメーションとなる。三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー /http://www.ghibli-museum.jp/library/
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