第6回インディーズアニメフェスタ レポート  前編 | アニメ!アニメ!

第6回インディーズアニメフェスタ レポート  前編

イベント・レポート

【業界のベテランが審査員に並ぶ】
 2008年3月15日、「インディーズアニメフェスタ」が三鷹市芸術文化センターで開催された。このイベントは「三鷹の森アニメフェスタ」の中で行われる自主制作アニメーションの上映会で、2003年から毎年開催されている。
 アニメーションに関わる様々な才能の発掘を目的として企画されたものでプロとして輩出した人材も多い。

 イベントでは実行委員会による1次選考を通過した18作品が上映され、続いて審査員による講評とトークセッションが行われた。審査員は、毎年豪華な顔ぶれが並ぶのだが、今年は特に大御所が集まっている。
 アニメスポットの代表で現在でも『怪〜四谷怪談〜』などで作画監督務めるアベ正己さん、スタジオヴィクトリー代表で『しましまとらのしまじろう』で活躍する岡迫亘弘さん、『あしたのジョー』作画監督や「超電磁」シリーズのキャラクターデザイナーの金山明博さん、META-STUDIO代表で、現在でも『モノノ怪』ほか多くの作品で演出を務める渡辺純央さんである。なお、司会はマンガ・アニメ研究家の星まことさんが行った。

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【少数精鋭だった2008年】
 例年、応募作品は100を越えるのだが、今年は60作品程度だったという。その理由としては動画共有サービスの広まりによって、手軽に多くの人に見てもらえる環境が整っていることが考えられる。逆にそうした中、わざわざ応募してくる作品のレベルは近年の中で最も高い水準であった。
 審査員の皆さんは渡辺さん以外、アニメに携わって50年という方々であるにもかかわらず総じてどの評価も高評価を与えていたのが印象的である。

 グランプリを受賞した『福来町、トンネル路地の男』は4分40秒の作品で動画2500枚以上を費やした力作。岡迫さんは「デッサン力、技術的にもすごい。『老人と海』に匹敵する。技術的に飛び抜けている」と絶賛した。
 金山さんは「人物だけではなくて背景もバランスが良い」、アベさんは「作画と演出の合致にただただビックリしている」、渡辺さんは「物語の筋立てや演出がキチンと完了している。減点するところが見つからない」とそれぞれ評価をした。

 アベ正己賞に輝いた『彼らは、』は実写的な作風で現代の孤独を描いた作品。アベさんは「美術も良いし音楽ともマッチしている。情念を感じる」とコメントした。
 岡迫亘弘賞『CUT』は皿の上のリンゴを切ると世界が真っ二つに割れる様子を様々な演出で描いたフラッシュアニメの作品。岡迫さんは「一発芸みたいな面白さ。短い作品ですがインパクトがありました。アイディアが良いですね」と語る。

 金山明博賞『mama & marmalade & me』は、ママのためにママレードのふたを開けようとし、冒険に出てしまう物語。キャラクターはシルエットだが暖かみのあるポップな絵柄の背景の作品。
 金山さんは「リズム感があってワクワクする。スタイリッシュで流れが良い。ミュージカルを見ているみたい」と激賞した。

 渡辺純央賞『shift』はすべて手描きで描かれている。魚や鳥が緻密な絵で描かれた舞台を様々に冒険していく1カットで描かれた作品。
 渡辺さんは「よくぞこれだけの量を描いたという点に、まず恐れ入りました。アニメーションの原点である動きの面白さを思い出させてくれる。原点回帰になる作品」と話した。

 また、特別賞として『PRESENT』が選ばれた。特別賞は当初予定されていなかったものだが、審査員がぜひとも表彰したいということで急遽機会がもたれた。
 チェコの作品のように丁寧に作られた人形アニメ。クリスマスの前夜に出会った老人を追いかけた少女が体験する不思議な館の物語。金山さんは「設定のすごさに驚く。物悲しさに包まれている良い作品です」と語る。渡辺さんは「3Dでやればもっと楽かもしれないのに敢えて立体でやるところに感銘を受けた。苦労したプロセスはフィルムに残る」とコメントした。
【日詰明嘉】

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