2007年 個人・少人数制作アニメーションの状況【1】 | アニメ!アニメ!

2007年 個人・少人数制作アニメーションの状況【1】

レビュー そのほか

 少人数でのアニメーション制作については、今年はプロの現場でも劇場公開された『Genius Party』やNHK『アニクリ15』など少人数で短編を制作するプロジェクトなどの動きもあった。
 ここでは、個人・少人数で制作するアニメーションについて、そうした状況も念頭に入れつつ今年1年の状況をこれまでの経緯を絡めて振り返ってみたい。

【今年の単館系の劇場公開】
 2002年に『ほしのこえ』でメジャーとなった新海誠監督の『秒速5センチメートル』が3月に公開された。同監督は、2004年の『雲の向こう、約束の場所』では制作人数を大幅に増員していたが、『秒速5センチメートル』では少人数の制作へ戻っている。
 また今年は、他に信濃毎日新聞のCMの制作や『アニクリ15』への参加も行った。さらに、監督の作品の制作をするコミックス・ウェーブ・フィルムからは、新海監督だけでなく、いわきりなおと氏の『楓ニュータウン』が12月に同じく単館系で劇場公開されている。

 2002年に個人制作から始まった真島理一郎氏の『スキージャンプ・ペア』も、昨年、実写を交えた映画『スキージャンプ・ペア ~Road to TORINO 2006~』として単館系で公開されている。
 今年は3Dの仮想空間であるセカンドライフで実際に各自が競技に参加して楽しめるようになった。
 また、オタワ国際アニメーションフェスティバルでグランプリとなった山村浩二氏の『カフカ 田舎医者』も現在単館系の劇場で公開されている。前々作『頭山』でアヌシー、ザグレブ、広島でグランプリとなっていたが、この受賞で4大フェスティバルを制した。

 一方、単館系ではないがTOHOシネマズ系列で蛙男商会の『THE FROGMAN SHOW 劇場版』が公開された。
 同作をプロデュースするDLEはテレビ東京で春に放送された『ファイテンション☆デパート』と現在放送中の『ファイテンション☆スクール』を展開している。来年は『菅井君と家族石 -THE MOVIE-』を公開する。

【コンテストで活躍する美大・芸大生と作品傾向】
 今年のアニメ関連の映像コンテストでは、美大・芸大の在卒生作品をよく見かけた。久保亜美香氏と井上精太氏の『おはなしの花』、半崎信朗氏の『Birthday』、加藤隆氏の『around』、上甲トモヨシ氏の『雲の人 雨の人』、坂元友介氏の『蒲公英の姉』、水江未来氏の『LOST UTOPIA』などである。
 水江氏の『LOST UTOPIA』は、アヌシー国際アニメーションフェスティバルにもノミネートされた。

 1990年代後半からの3Dのクリエイターの増加に加え、2000年から放送が始まったNHKの「デジタル・スタジアム」では学生の卒業制作作品が主に紹介されてきたことで活躍が目立つようになった。
 技術的なことに目を移すと、『おはなしの花』は3D、『蒲公英の姉』は人形アニメーションである。しかし、これらの作品の多くは、PhotoshopやAfter Effectsなどを使用した2Dの手描きアニメーションである。描画で使用するソフトのPhotoshopは来年誕生から20年目を迎える。
 1990年代後半に登場したFlashも、2000年以降にユーザーを増やしたソフトである。「デジタル・スタジアム」内でも2Dの手描きアニメーションを制作するソフトの1つとして登場するようになっている。
【真狩祐志】
《animeanime》
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