『アニクリ15』第3シーズン先行試写 クリエイターたちの多様な1分アニメ | アニメ!アニメ!

『アニクリ15』第3シーズン先行試写 クリエイターたちの多様な1分アニメ

イベント・レポート

 12月7日、日本工学院にてNHK『アニクリ15』第3シーズンの先行上映会とクリエイターによるトークイベントが行われた。
 『アニクリ15』は2007年5月からNHK各局で放送している1分間のオリジナルアニメ企画。描くクリエイターに与えられた制限は1分間という時間制約のみで、世界的に有名な監督から新進気鋭のクリエイターまでが自由に表現しているのが特徴である。作品は番組と番組の間のスポットプログラムとして放送されるため、新シーズンが開始されるとファンの間で、ブログ等を通じてどの時間に放送していたか報告しあう光景が見られる。
 第1シーズンの5作品は5月7日から放送が始まり、第2シーズンが8月6日に加わり、いよいよ当初に発表した最後の5作品が第3シーズンとして12月10日から放送される。

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 今回、舞台に立ったのは第3シーズンから今 敏監督と前田真宏監督。司会は同企画のチーフプロデューサーである柏木敦子さんが行った。
 このプロジェクトはNHKの若手職員が企画し、「世界を刺激し続けるクリエイター15人とNHKのコラボレーション」ということで2006年12月に制作がスタートした。企画書には「NHKイメージアップ プロジェクト」「民放には真似のできない」の文字が躍る。

 今 敏監督の『オハヨウ』はこれまでの今監督のテイストに近いリアルなタッチで、一人暮らしの女性の気怠い様子から目覚めに向かっていく日常を描く。この作品の元となったものはすでに10年前に企画しており、お蔵入りしていたものを描き直した。
 今回はハイビジョン制作ということで、次回作以降のテストケースとして制作した。ハイビジョンでの制作の難しさは、これまでと違い、描いたことが映るのではなく、描ききれなかった部分が浮き上がるように見えてしまうところにある。そのため撮影にはグラデーションやフィルタをかけるなど、様々な工夫をこらしたという。

 また、今回は日常芝居を2コマで作画した(1秒間に12枚)。このため、止めたり動かすなどの演出の仕方を変えるなど新たな発見があったという。
 今回の作品には絵コンテから5ヶ月を費やし、制作に関わる総人数は少ないものの、プリプロダクションからの制作方法は映画と変わらない。

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 なお、ふだんNHKで放送されているアニメは、全ての制作工程をアニメプロダクションが行うが、今回は音響制作をNHKで行い、両作品ともNHKのアナウンサーが出演している。柏木プロデューサーによるとNHK職員にとっても刺激的なコラボレーションだったと語る。
 前田真宏監督の『おんみつ☆姫』は1分間に47カットもある、超ハイスピードなパロディ時代劇。これまで前田監督のキャリアになかった80年代のドタバタしたテイストを1分間に閉じこめた。
 絵コンテの段階は2分間あり、制作した段階でも1分20秒もあり、圧縮して1分に収めた。カット数の多さや動きの激しさ、明るい色指定により、テレビ放送の基準を自動判定するプログラムに何度も引っかかり苦労した。
 前田監督も制作期間は約5ヶ月、無茶なことをしたいスタッフを募り、制作したという。全ての原画を前田監督が描いた。今回は架空シリーズの最終話を1分にダイジェストにする形に収めたそうである。前田監督の頭の中には、舞台設定や構成ができているため、「機会があったらシリーズ化したい」とのこと。

 今後の予定については、今監督は長編劇場作品の制作中で、2009年の公開を目指すという。前田監督は、2008年公開の『Genius Party』の第2弾で短編を発表後、春頃からゴンゾでの作品制作を行うと語った。
【日詰明嘉】

『アニクリ15』第3シーズン

河森正治 『プロジェクトΩ』  制作:サテライト
今 敏 『オハヨウ』  制作:マッドハウス
新海誠 『猫の集会』  制作:コミックスウェーブ
マイケル・アリアス 『おっかけっこ』  制作:スタジオ4
前田真宏 『おんみつ☆姫』  制作:ゴンゾ

NHK アニクリ15 公式サイト
/http://www.nhk.or.jp/ani-kuri/
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