知的財産戦略本部のGDH石川社長の海外戦略について | アニメ!アニメ!

知的財産戦略本部のGDH石川社長の海外戦略について

レビュー そのほか

 12月4日、アニメやオンライゲーム事業を行うGDHの石川真一郎社長が、知的財産戦略本部コンテンツ・日本ブランド専門調査会コンテンツ企画ワーキンググループ第3回において、現在の海外のビジネス状況と自社の海外戦略を説明している。
 これは今回のワーキンググループのテーマが「優れたコンテンツの創造と海外展開について」となっており、同氏が参考人として出席したためである。この際の資料が、知的財産戦略本部のWebサイトに公開されているが、短刀直入ともいえる発言が興味深い内容となっている。

 発言は海外の現状全般とGDHの海外ビジネス、そして今後の日本が取るべき方向性の提案となっている。
 全体の趣旨は海外でのアニメ、マンガ、ゲームのビジネスの可能性と、そのなかで同社が進める海外向けのオンラインゲーム展開や国際的なアニメブランド開発などである。また同社がこれまでより、アジア市場、特に中国市場に力を入れている様子が伝わる。

 しかし、こうした全体の発言や提案とは別に、細かな部分でも興味深い内容が多い。例えば米国のプロデューサーの発言として、東京国際アニメフェアと東京国際映画祭・TIFFCOMは国際的なイベントになる可能性を秘めていると触れている点などだ。
 一般的にはファンイベントと見られることも多いこうしたイベントのビジネス面での飛躍の可能性を取り上げると共に、そのためには英語での対応が不可欠というメッセージを送っている。

 また海外マーケットの現況について、日本のコンテンツでグローバル市場に影響があるのはゲーム、マンガ、アニメのみとする。昨今話題になることの多い海外アニメDVD市場については、米国のアニメ系ディストリビューターは一社を除いてほぼ全滅、ヨーロッパ、アジアの会社についても軒並み経営危機にあると指摘している。これらは肌感覚の発言としているが、かなり素直な意見である。
 しかし、例えば海外のディストリビューターの状況などは、かなり真実に近いと考えられる。肌感覚であるだけになお説得力がある。

 一方で今回のプレゼンテーションの内容が壮大で、必ずしも実現が容易でない部分もあると感じる。しかし、そうした問題を乗り越えなければ、将来の展望が開けないのもまた事実である。
 そうであれば、こうした目標を掲げてそこに近づく努力をすることが現在一番大切なことなのかもしれない。

 こうしたビジョンは、どの会社も経営戦略としてしばしば公表する。しかし、今回はそうした公式の戦略と異なるよりカジュアルで本音が伝わる内容になっている。
 アニメ産業のなかで独特の個性を放つGDHの考え方を知るうえで、貴重な資料と言えるだろう。

GDH / http://www.gdh.co.jp/
知的財産戦略本部 /http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/
    /石川真一郎氏提出資料(PDF)
《animeanime》
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