10月22日、第20回東京国際映画祭 animecsTIFFにおいて、この秋から放送がスタートした人気アニメ『もやしもん』のプレミア上映、舞台挨拶およびティーチインが行われた。 『もやしもん』は、フジテレビノイタミナ枠で放送中の人気アニメ。農大を舞台に、菌が見える主人公・沢木と個性的な大学の友人が織りなす、珍しい「農大」アニメである。 原作は石川雅之さんで、講談社「イブニング」に連載中の作品である。ノイタミナ枠としては、初回放送時に歴代2位の4.9%、第2話は5.3%と数字を伸ばし好調である。 今回、舞台挨拶に立ったのは、矢野雄一郎監督、八木竜一CG監督、仲村みうさん、ハイキングウォーキングの二人、ムーディ勝山さん、依布サラサさんらである。 矢野監督は原作の内容を11本のテレビシリーズに落とし込むため内容の濃いものになっていると語る。依布サラサさんは、本作のオープニング曲『カリキュラム』を担当している。すでに作詞家としてのキャリアも先行しており、デビュー曲の本作でも作詞を手がける。オープニングアニメの「菌」の動きと音楽のリンクに感動した様子だ。 (C)2007 TIFF 本作には個性的な「菌」のキャラクターが多く登場するが、それを演じるキャストも個性的だ。ムーディ勝山さんは、黒カビの菌役で出演。オリジナル曲「黒カビはいつもひそんでるの歌」を即興で披露していた。 フケ、ワキガ菌役のハイキングウォーキングのお二人はスーパーイリュージョンのネタを披露。仲村みうさんは、第9話に登場する「ござる口調」で話す日本のヨーグルト菌役を担当する。 プレミア上映は本編1、2話と3話のAパートを先行上映した。その後、八木竜一CG監督より、オープニング映像のティーチインが行われた。 本作は100以上の菌が登場し、全てが3DCGで制作されている。それを白組のCG監督の八木竜一さんが取りまとめている形である。お話しによると原作の石川さんは、アシスタント無しで大量の菌を描いているようで、アニメでも多くの菌を出して欲しいということで、当初の予定よりも多くの菌を作成したという。 オープニング映像は『ALWAYS 三丁目の夕日』の山崎貴監督が手がけている。東京農工大学でロケをした実写とCGの合成映像となっている。画面では、実写の部分には、本来にそこにいるはずの菌を配置するなどのこだわりぶり。またちょっとした画面上の映り込みや、影のタイミングに気を配り、知らない人が見たらぬいぐるみと見まごう映像に仕上げている。本編もセルシェーディングを行い、2D画面と同化させているが、この菌の3DCGモデルは同じものだそうである。使用ソフトはAutodesk 3ds Max である。 アニメ放送時には本編終了後に、菌の豆知識を紹介するミニコーナー「菌劇場」が用意されており、こちらも好評である。 また今回、八木監督の口から、今後発売されるDVDに映像特典として、未放映のオリジナル「菌劇場」が収録されることが伝えられた。【日詰明嘉】もやしもん 公式サイト/http://www.kamosuzo.tv/top.html
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