白組のコンテンツ開発 from 「CEDEC/コ・フェスタ」 | アニメ!アニメ!

白組のコンテンツ開発 from 「CEDEC/コ・フェスタ」

イベント・レポート

 ゲーム開発者のためのイベントCEDECとJAPAN国際コンテンツフェスティバルが連携したセミナー「CEDEC/コ・フェスタ ゲーム開発者セミナー」が9月24日、25日に開かれている。
 25日には、主にアニメやキャラクター、玩具、テレビ放映と様々なコンテンツ領域とゲームの関わりに焦点を当てた「産業間連携セッション」が開催された。 
 このうち井上浩正さんと田中尚美さんの2人のプロデューサーが登壇した映像制作会社白組による「白組におけるコンテンツ開発」は、アニメとCG技術についての興味深い話で溢れていた。

受注だけでは制作会社に限界がある
 セミナーの内容は、白組の会社の説明であると同時に、30年以上の歴史を誇る同社が、いかにしてコンテンツの企画と権利保有者を目指しているかが中心となった。
 白組はテレビコマーシャルやゲームムービーのクオリティーの高さで広く知られている。しかし同社によれば、受注の仕事だけでは制作企業はやがてうまく回らなくなくなる。
 そこで山崎貴監督の『ALWAYS三丁目の夕日』のように、オリジナル企画を実現化し、監督を育てることが重要だという。

 さらに大ヒット作である『ALWAYS三丁目の夕日』以上に興味深かったのは、子供向けの特撮TV番組『魔弾戦記リュウケンドー』やテレビアニメ『うっかりペネロペ』の制作である。これらの仕事はサクサクしたワークフローが必要という点で、これまでのじっくり作品を作る白組と違いがある。
 さらにこれらの作品に白組は、製作出資も行っている。白組によれば同社が製作出資をするパターンはふたつで、ひとつは自社の監督の作品や自社の技術をみせる作品で、白組が責任持つものである。
 もうひとつは、『魔弾戦記リュウケンドー』や『うっかりペネロペ』のように、マーチャンダイジングの事業計画があり、そうした利益が期待できる作品である。 

もやしもん』は白組の技術が全て注がれた作品
 最後に両プロデューサーは、この秋からフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」で放映される『もやしもん』についてふれた。
 『もやしもん』は、白組にとって初の30分テレビシリーズの元請制作となる。同社はこれを1回限りのものでなく、今後の展開に向けた実績作りの第一歩と定めているようだ。

 そうした白組の強い思い入れは、作品のクオリティーにも影響を与えそうだ。田中プロデューサーによれば『もやしもん』には、これまでの白組の技術の全てをつぎ込むとしている。本編は『うっかりペネロペ』でも用いたトゥーンシェィディングの技術、オープニングは実写合成、エンデイングはクレイ・アニメーション、さらに番組の設けられる1分間のおまけアニメはフル3DCGアニメーションとなる。
 ひとつの番組のなかで様々なアニメーションが展開する驚愕の映像となるようだ。また、2Dのラインがないことをクリアするために、2D部分についてはテレコムに協力を仰いでいるという。
 
 日本のアニメは2Dに強みがある、3Dでは海外に勝てない、2Dアニメはまだまだ残ると言われることが多い。しかし、3DCGを得意とする白組が、3Dの技術を大量に織り込んだ作品で深夜30分枠のテレビアニメに進出する。
 これを聞いていると予算の問題と技術的な問題がクリア出来れば、将来的にセルタッチの3Dアニメが普通にテレビで放映される時代が来るかもしれないと感じる。そして、そうした問題の解決は既に視野に入っているのではないだろうか。
 白組というユニークな映像制作会社による今回のセミナーは、アニメ制作の変化を予感させるものであった。 

「白組におけるコンテンツ開発について」
井上浩正 (株式会社白組 プロデューサー)
田中尚美 (株式会社白組 プロデューサー)

白組  /http://www.shirogumi.co.jp/

もやしもん公式サイト /http://www.kamosuzo.tv/top.html
うっかりペネロペ公式サイト /http://www.penelope.tv/
魔弾戦記リュウケンドー公式サイト
/http://www.red-entertainment.co.jp/works/other/ryukendo/
ALWAY 続・三丁目の夕日公式サイト /http://www.always3.jp/
《animeanime》
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