押井守×神山健治: アニメと実写の差異「真・女立喰師列伝」を語りながら | アニメ!アニメ!

押井守×神山健治: アニメと実写の差異「真・女立喰師列伝」を語りながら

イベント・レポート

 8月30日から9月3日まで横浜で開催されている第65回世界SF大会/第46回日本SF大会は、国内外から豪華なゲストと企画で溢れていた。そのなかでも目玉企画のひとつが、9月2日に開催された徳間書店主催「アニメと現実の差異 新作映画『真・女立喰師列伝』を語りながら」である。
 企画は押井守氏と神山健治氏というアニメの大物監督2人がゲストになること、そのトークが2時間もの長時間に及ぶこと、そして11月30日ロードショーながらこれまでほとんど情報が出てこなかった映画『真・女立喰師列伝』が中心テーマになるなど話題性の多いものである。

 シンポジウムは司会の大野修一氏のもと、『真・女立喰師列伝』の紹介から始まった。映画はその名前の通り昨年劇場公開され、その独特のアニメーションで話題を呼んだ『立喰師列伝』の関連企画である。押井監督によれば、『立喰師列伝』から派生した『女立喰師列伝』、さらにそこから派生したスピンオフのスピンオフである。
 映画の特徴は押井監督を含む5人の監督による6つの映画から構成されたオムニバスである。それぞれが1人の女優をクローズアップする。映画は「女立喰師」をテーマにすることだけで結びついており、SFから恋愛まで幅広い作品が揃っている。
 出演する女優陣がひし美ゆり子さん、水野美紀さん、安藤麻吹さん、藤田陽子さん、小倉優子さん、佐伯日菜子さんと豪華メンバーとなっているのも映画の見所である。

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 このうち押井氏が監督するのは、「金魚姫 鼈甲飴の有理」(女優・ひし美ゆり子)と「ASSAULT GIRL ケンタッキーの日菜子」(女優・佐伯日菜子)の2作品である。監督によれば、まず女優があり、その女優で映画を撮りたい思いが始まりだという。
 また監督は自分以外の監督を選んだ理由について、自分で6本の映画は撮影出来ないことと、若い人たちに映画を撮る機会を与えたかったからだと説明する。そのうえでなぜ湯浅弘章氏、辻本貴則氏、神谷誠氏の3氏を選んだのか、3作品の持ち味について丁寧に説明をした。
 神山監督については、最初から一人はアニメ監督に実写を撮らせるつもりだったことを理由に挙げた。そしてそのなかで真っ先に神山健治の名前が思い浮かんだという。実写を撮ることで、神山監督の世界観も変わるはずだとの考えである。

 これに対して神山監督は、実写は初めてだが映像の方法論は一緒で違和感はなかったとする。それでも、アニメは自分の思い通りに素材があがらないが、実写は自分の思い通りになる、アニメは時間がかかるが実写はレスポンスが早いといった両者の映像としての違いに言及した。
 同様に押井氏も基本的には実写とアニメーションとは映像表現としてそんなに変わるものでないとする。細かな違いはいろいろと挙げたが、両者とも実写とアニメの垣根の存在はあまり感じていないようだ。

 また今後の方向性について押井守氏は、既に『スカイ・クロラ』の次の企画についても話している、今後は2、3年に一本の割合で長編劇場アニメを必ず作るつもりだと述べた。
 同時に実写映画にも強い意欲を見せており、押井監督の創作への強い意欲を感じさせた。

真・女立喰師伝公式サイト
/http://www.deiz.com/onna/

「金魚姫 鼈甲飴の有理」
監督:押井守/主演:ひし美ゆり子
「荒野の弐挺拳銃 バーボンのミキ」
監督:辻本貴則/主演:水野美紀
「Dandelion 学食のマブ」
監督:神山健治/主演:安藤麻吹
「草間のささやき 氷苺の玖実」
監督:湯浅弘章/主演:藤田陽子
「歌謡の天使 クレープのマミ」
監督:神谷誠/主演:小倉優子
「ASSAULT GIRL ケンタッキーの日菜子」
監督:押井守/主演:佐伯日菜子

製作:ジェネオン エンタテインメント
制作・配給:デイズ
第20回東京国際映画祭 日本映画・ある視点部門 公式出品作品
渋谷シネクイントにて、11/10(土)~11/30(金) 特別限定レイトロードショー


第65回世界SF大会/第46回日本SF大会 Nippon2007公式サイト 
/http://www.nippon2007.org/
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