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JETIXヨーロッパは日本のライバルになる?

レビュー そのほか

2006年も好調だった JETIXヨーロッパ
 ヨーロッパの4大子供向けチャンネルのひとつJETIXヨーロッパの業績好調が続いている。ウォルト・ディズニーの傘下に入った2004年以来、同社の業績成長は続いており、2006年の売上高は1億6280万ユーロ(約265億3000万円)と前年の1億4530万ユーロから12%成長した。
 同社は、前年も売上高で14%成長だから順調に事業を拡大している。また純利益も前年の610万ユーロから2340万ユーロとおよそ4倍増となった。事業の拡張と収益化が同時に進んでいるわけである。

 JETIXヨーロッパのビジネスの特徴は、テレビ放映の視聴料と広告からなる放送事業、番組販売事業、そしてコンシュマープロダクツ事業と呼んでいるライセンス部門の3つから事業が構成されることだ。
 このうち成長性が高いのはライセンス事業で、ヨーロッパ・中東での『パワーレンジャー』の権利や『ソニックX』、『アルファ・ティーン・オン・マシン』などが含まれている。

独自のアニメーション製作を強化
 また全体売上高の12%ながら、番組製作・販売事業も見落とせない。JETIXヨーロッパは親会社ディズニーとは別に、自社独自の番組製作の強化を目指しているからだ。これはJETIXヨーロッパのディズニーグループにおける微妙な立場を反映している。同社はディズニー系列であるが、ヨーロッパには既にディズニーチャンネルが存在するからである。
 このためJETIXヨーロッパは、ディズニーから十分な作品供給を受けられない。JETIXヨーロッパの放映番組は、ディズニー作品に加えて、他社から放映権を購入した番組、それと独自製作した番組となる。

 しかし、実際には独自製作番組は、足りないものを自社調達というより同社の戦略部門となっている。それは番組販売とライセンス販売で、放送事業と違う利益を生み出している。
 現在同社は既に、これらの番組を逆にアメリカのディズニーに輸出している。そこからさらに日本を含むヨーロッパ以外に再輸出されている。

 これは実はディズニーにとっても都合がいい。二重投資に見えるヨーロッパのディズニーチャンネルとJETIXヨーロッパの存在は、異なる視聴者層を捉えることで相互補完されている。
 さらに、ディズニーはもともとキッズやファミリー向けのアニメーションを得意とするが、ティーンより上の世代を向けた番組やボーイズアクションと呼ばれる番組は苦手である。その部分をJETIXが独自のノウハウで開発している。つまり、異なる2社の存在によって番組のラインナップが広がっている。

得意とするのは日本アニメスタイル
 これは日本のアニメにとっても無関係でない。JETIXヨーロッパの製作番組には、忍者が主人公の『シュリケンスクール』(制作フランス)、忍者に恋する中華料理店の娘を主人公とする『PUCCA』(韓国との合作)、それに制作に日本のハルフィルムメーカーも参加した『オーバンスターレーサーズ』などが含まれている。
 これらは世界のテレビアニメーション市場でディズニーが競合する日本アニメの日本的な要素を取り入れた作品で、ディズニーアニメーションのビジネス面での保険となっているわけである。

 実際にJETIXの作品にはこのほかにも『トータリー・スパイズ!』など日本アニメスタイルを取り入れたとされる作品も多い。
 JETIXヨーロッパは、世界の子供向け番組市場で拡大しつつある日本以外の国が制作する日本アニメスタイルのアニメーション製作の核になっている。

 現在、ヨーロッパでは、ディズニーチャンネル、ニコロデオン、カートゥーンネットワーク、JETIXヨーロッパの4大チャンネルに対して、日本アニメ専門チャンネルのアニマックスが割って入ろうとしている。
 このなかで一番のライバルになるのは、ディズニーアニメーションでも日本のアニメを放映するカートゥーンネットワークでもなく、実はJETIXヨーロッパかもしれない。またそれはヨーロッパだけでなく、今後世界各国のアニメーション市場でも起こる可能があることだ。

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JETIXヨーロッパ /http://www.jetixeurope.com/
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