Cool Japanの真相 ジャパンアニメ成功の秘密:レポート | アニメ!アニメ!

Cool Japanの真相 ジャパンアニメ成功の秘密:レポート

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dh01.JPG 2月26日、秋葉原のデジタルハリウッド大学で同大学の国際アニメ研究所の開設を記念した記念パネルデスカッションが開催された。パネルデスカッションは世界のなかの日本アニメと日本アニメの現状といったことが主要なテーマとなっている。
 パネラーにはデジタルハリウッドで教鞭を取る辻真先氏、諏訪道彦氏、水島精二氏、吉岡昌仁氏が参加した。それぞれが脚本家・作家、局プロデューサー、監督、制作プロデューサーと異なった立場にありディスカッションの内容が広がった。
 
 ディスカッションは、クールジャパンと呼ばれている日本のアニメの海外での成功の理由を探ることから始まった。日本のアニメの成功については、パネラー4氏の意見はほぼ一致していた。
 つまり、それは日本アニメの持つ無国籍性や規制の少なさによる自由な創作環境、ジャンルの境界のなさとキャラクターデザインの異質性である。こうしたものがディズニーアニメーションに代表されるアメリカのアニメーションとの差別化に成功したという事実である。
 しかし、一方で水島氏は『鋼の錬金術師』の海外での受け方は日本の感覚と違うところも多く、計算を超えたところがあるという。そうした点は、今回開設される研究所のテーマとなるかもしれない。
 また、トムスの吉岡氏は日本アニメの強みのひとつは、アニメ業界は人的関係で環境が良いこと業界内の壁が少なく作品への思い入れが強い人も多いことを挙げた。

 しかし、ディスカッションは日本のアニメの明るい面だけを見ていたわけではない。例えば水島氏の最近の若いプロデューサーに覇気のある人が少なくなったという指摘は興味深い。プロデューサーに必要なのは、アニメを作りたい人に何を作らせ、作品をどこに、どうやって届けるのかという明確な考え方であるという。
 アニメが産業化する一方で、これまで日本のアニメを支えてきたクリエイターやプロデューサーの情熱が薄まりつつあるのかもしれない。
 また、辻氏は新しいものを追うことも重要だが、歴史と過去をさらうことも重要でないかとする。わずか数十年の歴史であるにもかかわらず、現在、アニメ関連の資料は急速に散逸し始めているという。こうした古いもの調べ、過去を知ることで新しいものも生まれてくるとし、現在あまり重視されていない過去の記録の重要性を強調した。

 ディスカッションの内容はこのほかにも、日本のアニメの基礎を築いた一人手塚治虫の影響やアニメの海外輸出黎明期の話など様々分野に及んだ。今後の大学の研究やアニメーションコースの方向性にも大きな示唆を与えるものだったのでないだろうか。

「Cool Japanの真相 ~ジャパンアニメ成功の秘密~」
2007年2月26日(月)18時半~ デジタルハリウッド大学(秋葉原)
パネラー
辻真先(脚本家、作家/デジタルハリウッド大学客員教授)
諏訪道彦(讀賣テレビ エグゼクティブプロデューサー/デジタルハリウッド大学特任教授)
水島精二(アニメーション演出家/デジタルハリウッド大学客員教授)
吉岡昌仁(トムス・エンタテインメント理事、第二映像制作部長/デジタルハリウッド大学客員教授)
司会 
櫻井孝昌(デジタルハリウッドCOO)
杉山知之(デジタルハリウッド大学・大学院 校長)

/デジタルハリウッド 
《animeanime》
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