11月2日、都内で第5回アニマックス大賞 大賞作品制作発表が行われた。大賞受賞者の月野あかりさん、審査委員長でプロダクションI.Gの制作部長を務める三本隆二氏、アニマックス社長の滝川雅夫氏、特別審査員で自身もI.G作品のファンであると言うアーティストの石井竜也氏が会見を行った。 受賞作は『ゆめだまや奇談』という姉が弟の夢の中に入っていくロードムービー的なストーリーである。 今回、物語の舞台で重要な役目を果たすのが地下道ということで、地下40メートルにある日比谷共同溝での開催となった。この場所は国土交通省が現在建設中の巨大な横穴で、災害時のライフラインの確保を目的としている。 現在も工事の最中だが、都市の中に現れた巨大なトンネル空間は一種の非日常感を思わせる演出である。 月野さんは、10年ほど前からシナリオを書き始め、その間ラジオドラマの脚本家としての経験がある。アニマックス大賞にも第1回から応募し続け今回、見事大賞を受賞した。 執筆にあたっては、海外に旅行した時に経験した、目が覚めても深い夢が続いているような夢と現実の境目の不思議な感覚がモチーフになっている。 月野さんは会見で「キャラクター達と同世代の子どもたちに見てもらいたいのはもちろんです。ただ、大人の方でも子ども時代を思い出せる作品になっているので最近、夢を見忘れたという人たちに見てもらいたい」と話した。 自身、小中学生3人のお母さんということで、「子どもたちが、ご飯の時間でも画面の前で見続けるような作品になれば」とコメントした。 石井さんは「最近アニメ産業が元気だが、海外で制作されるものが多く、向こうに技術を吸収されてしまうのではないかという危機感があった。日本のアニメの基盤を作ってきたストーリー性、メッセージ性のあるシナリオで、内容自体が持つやさしさで選ばせてもらった。現在CGアニメの『アタゴオルは猫の森』でも音楽を手がけているが、ぜひ今作でも音楽をやってみたい」と話した。 三本さんは「当社はリアリティ表現の作品などは得意としているが、こういったファンタジー要素の高いものは、今まで機会が少なかったので一つの挑戦としてやっていきたい」と話した。 作品の制作はプロダクションI.Gが行い、07年夏から秋にかけてアニマックスで独占放送される。/アニマックス /プロダクションI.G
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