日仏合作オーバンスターレーサーズ 上映会(10/31) | アニメ!アニメ!

日仏合作オーバンスターレーサーズ 上映会(10/31)

ニュース イベント

 『オーバン スターレーサーズ』は、2D作画をハルフィルムメーカーが、3Dパートは Pumpkin-3d が行ったという、初の日仏合作アニメだ。
 2006年6月より、アメリカのトゥーン・ディズニーとABCファミリーで放送が開始され、日本でも9月からCSトゥーン・ディズニーにて放送が始まった(日曜日 20:00~20:30、週3回リピート放送)。

 animecs TIFFでは3話と8話が上映され、監督のサヴィン・イェットマン=エッフェルさん、トマ・ロマンさん、プロデューサーの中島伸治さん、高梨実さんがトークショーを行い、企画のスタートから制作の経緯と裏話を語ってくれた。

未来少年コナンに影響受けた
OBAN03.JPG 彼らの構想は1997年に始まった。エッフェルさん、ロマンさん達は20年以上前に放送された日本アニメに非常に影響を受けていた。それまで彼らが見たことがあるアニメといえば、アメリカ製のコメディやアクションばかりのいわゆる「子どもっぽい」作品ばかりだった。日本のアニメにはドラマティックな人間関係やストーリー性があると感じていた。
 特に宮崎駿監督の『未来少年コナン』には非常に大きな影響を受けたという。今の子ども達にもこういった感動を伝えたい。『オーバン スターレーサーズ』はこんな思いからスタートした。

 2001年、モナコで行われたヨーロッパ最大のCGショー「IMAGINA」で流したパイロットムービーの『モリー スターレーサー』は各地で絶賛され、日本ではNHKのデジタルスタジアムで放送された。
 エモーションの高梨さんはこれを見て非常に気に入り、インターネットでムービーをペイパル(電子決済)購入し、その掲示板に感想を書いた。まもなく、エッフェルさんから返事が届いた。これが企画製作のスタートになった。

日仏共同製作の苦労
 監督達が色々なスタジオを紹介された中で、2D部分の制作はハルフィルムメーカーに決定した。他社の場合、これまでは合作といっても、企画丸々の下請けで、作画するだけの作業であった。
 しかし、スタッフは制作の期間中、日本に住んで作りたいと言い出した。高梨さんは、これを合作の本当のやり方だと考え、色々なコミュニケーションの困難もあるだろうが、それを乗り越えることで、何か新しいコラボレーションした良い作品ができるのではないだろうかと考えた。

 制作の苦労は予想以上に色々現れた。エッフェルさんは大々的なブレストを行うことを想定していたが、簡単には共同関係を築き難く、相手が何を考えているのか誤解も多くあった。

 ハルフィルムメーカーの中島さんは、「最初、日本の方でアニメの作り方を教えてあげようという意識があった」と言う。日本側のスタッフが自分のやり方が正しいと思いこみ、行き違いも生じたという。
 それを制作スタッフ達はディスカッションを通じて、お互いに言うことを尊重し合い、チームワークを作っていったという。特にエッフェルさんに乗せられていくことが多かったと話す。

OBAN02.JPG トマさんは、日本のアニメは海外で評価が高く技術的にも優れているので、スタッフがどんどん作ってくれるものだと思っていた。ストーリーも全体は作っていたが、カット単位でどのような表現をするべきかまでは考えていなかった。
 自分で仕事をやって見せて、スタッフから認めて貰う必要があったという。その方法について、言葉よりも、やはり絵やコンテを通じて理解し合う方が通りが良かったという。

 フランスでは、プロデューサーが製作において、もっと子どもっぽく作るように、子どもがすんなり理解できるようにと言ってくるが、特に織り込みたかったのは、子ども向けでも対立や感情表現をきちんと描くことだったという。途中、ヨーロッパの企業がスタジオに来て、この作品のアーティスティックな方向をコメディ中心に変えようとした。
 エッフェルさんは、それに対して「脚本家は全員、クビにした」と伝えた。だが、実際はすべてシナリオを作っていたのはエッフェルさん自身であった、と笑いながら話す。

 3DCGの部分は Pumpkin-3d が制作した。向こうのスタジオへの指示伝達方法には最初はカットごとの指示をメールに書いていたが、上手く伝わらなかったので、インターネットを利用したWEBカメラを使って行った。
 3Dは毎回100カット以上あるレースシーンを付く類において不可欠なものだった。ただ、無機質な絵柄ではなく手触り感のある色遣いにするのに苦労した。

主題歌は菅野よう子さんに
 主題歌は、世界的に有名な菅野よう子さんに頼むことができて非常に嬉しく思っている。本来は予算的に大変だったそうなのだが、ある時音楽制作のプロデューサーがスタジオに来て、候補となるサンプルをいくつか持ってきた時に、エッフェルさんが名前を知らされずに音だけ聴いて選んだのはやはり菅野さんだったので、プロデューサーも観念したという。
 ちなみに、菅野さんを使うと予算がかかるというのは、彼女のギャラが高いわけではなく、単にどんどん曲を作って、どんどんレコーディングスタジオとミュージシャンを手配して、音楽制作に膨大な時間を費やしてしまうためだそうだ。マクロスプラスの時には未使用曲が数十曲あったとのことだ。

 最後に、トマさんは「外国人にとってこの国は非常に刺激的でクリエイティブな場所だ。これからも家族も日本におり、日本でアニメを作っていきたい」と言う。
 エッフェルさんは「日本の亜流ではなくフランス人として一昔前の味を作りたかった。ぜひ皆さんに見て貰って感想を聞きたい」と述べた。

    OBAN01.JPG

『オーバン スターレーサーズ』上映+トークイベント
~仏日合作アニメの新しい潮流~

日 時:10月26日(木)15:30~ (開場15:10)
会 場:TOHOシネマズ 六本木ヒルズ スクリーン1
ゲスト:サヴィン・イェットマン=エッフェル(プロデューサー・共同監督/Sav! The World)
トマ・ロマン(キャラクターデザイン・共同監督/Sav! The World)
中島伸治(プロデューサー/ハルフィルムメーカー)
高梨実(プロデューサー/エモーション)

/オーバン スターレーサーズ公式サイト 

/東京国際映画祭 
/animecs TIFF2006 
《animeanime》
【注目の記事】[PR]

特集