東京国際映画祭に合わせて開催される映像作品のプレゼンテーション企画Tokyo Project Gathering(TPG)でプレゼンテーションされる28作品が発表された。TPGは東京国際映画祭と併設して開催される映画マーケットTIFCOM2006の一部で、企画中の映像作品の製作出資などを募るものである。 TPGは昨年の東京国際映画祭で初の試みとして行われ6企画がプレゼンテーションされた。今年は昨年のこの6企画を大きく上回る28企画が発表される。これらの企画は応募された約90企画から選考されたもので、出品会社の国籍は9カ国に及ぶ。また、出品企業のなかには東映などの大手企業の名前も見受けられる。 また、作品のスタッフには三池崇史さんや河瀬直美さんなどの国内有名監督のほかに、香港のウォン・ジンポー監督(『ベルベット・レイン』)、フランスのマルク・キャロ監督(『デリカ・テッセン』)といった海外の有名監督の名前も見られる。 昨年のTPGはアニメーション作品の数が多かったが、今年もアニメーション作品と思われる作品は少なくない。現在発表されている企画の情報は、タイトルとプロデューサー、スタッフ、企画会社だけであるが、それでもアニメーション作品と思われる企画が数多い。 まずは、昨年は米国のマンガ『プリンセス・アイ』の劇場アニメ企画を取り上げたTokyopopの企画『羊のうた』である。『羊のうた』は冬目景さんの描くマンガ作品で、現代の吸血鬼が主人公とされている。 Tokyopopはこのマンガの英語版を海外で発売しており、アニメ化企画の可能性が高いだろう。 ANONピクチャーズの『Be Rockin’』は、昨年の東京コンテンツマーケットで 動画部門特別賞を受賞したアニメ作品である。既に、様々な分野で実績を築きつつあるが、若手クリエーターの商業進出として注目される。 ミコット・エンド・バサラの『BAD GIRL』やポリゴンピクチュアズの『3bowlers』は、企画会社が共に3DCGアニメーションに定評のあるスタジオである。CGアニメーションの企画が期待出来そうだ。 さらに、海外からはフランスのプラネット・ネオ・アニメーションの『NELLY&CEZAR』とHeavy Metal video/Wowmax Media が『Lost Angels』を発表する。海外で異彩を放っているのは、フランスのSYSTEM Bが企画する『鉄腕アトムの1世紀』である。監督、プロデューサーとも外国人となっており、『鉄腕アトム』がどのような形で取り上げられるのか気になる。 これらの企画は今後Webサイトとカタログに概要が掲載されるほか、10月22日にTPG参加者に対してプレゼンテーションが行われる。その後は、企画提案者と企画に関心を持つ参加者との間で個別ミーティングが設けられる。 数多くの優れた企画が出品されるだけに、数年後にはこのリストの中から実際に映像が公開される企画も幾つか出現するに違いない。/Tokyo Project Gathering(TPG) /出品企画一覧
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