ICV2グラフィックノベルコン:ジャンルに確立したマンガ | アニメ!アニメ!

ICV2グラフィックノベルコン:ジャンルに確立したマンガ

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 今回、ニューヨーク・コミコンがにあわせて開催されたグラフィクノベル・コンファレンスは、コミックの世界で主流であった雑誌体裁のコミックでなく、書籍形式のコミックであるグラフィックノベルに焦点をあてたものである。

 コンファレンスは、「ICV2白書:グラフィックノベルの成長性と多様性」、「グラフィクノベルは文学になるか?」、「アニメとマンガの今後」、「バイヤーズパネル:次の3年」とう専門性の高い業界関係者向けの4つのパネルからなっている。
 パネリストにはマンガ・アニメの販売・流通の専門家が数多く並んだ。そのなかには、その重要性にもかかわらず、注目されることの少ないダイヤモンド・コミック・ディストリビュターやイングラムなどの物流会社や図書館司書、独立コミック店のオーナーからアマゾンドットコム、バーンズ&ノーブルといった小売店などが含まれている。

 さほど広くない会場は100名を大きく越える業界関係者で埋まり、真剣な表情でパネリストの話を聞き入っていた。それだけ業界関係者にとってグラフィックスノベルとその中核をなすマンガへの関心が高いといえる。
 コンファレンスは参加者にとって有意義なだけでなく、グラフィックノベルがアメリカの書籍分野のひとつとして確立されたという意味でも重要であろう。

 コンファレンス全体の基調は、この業界の未来に対してかなりポジティブであるように感じた。業界全体が、グラフィックノベルがいかに現在の地位を獲得したかについて振り返り、さらにそれを未来につなげる方法を模索しているようだった。
 マンガについては、会場のほとんどが純粋なアメリカ人だったが、彼らはマンガを特殊なものとしてでなく、人気のあるコンテンツとしてごく普通に受け止めていた。
 逆に日本人からみると、自分たちの全く関係ないところで、マンガの内容やマーケティングや将来が勝手に語られているようで奇妙な感じすらする。

 そこに日本のクリエーターの存在に対する意識があまりなかったことも残念である。それはコミック雑誌の制作が、クリエーターでなく出版社主導というアメリカの出版文化に根ざしているのかもしれない。あるいは、ビジネスを中心とするコンファレンスの性質にもあったかもしれない。
 しかし、それらの作品が実際は国内市場に向けられたもので、本来は輸出を意図してないという視点が欠落しているように感じる。

 もし、今後もグラフィックノベル、そしてマンガのさらなる発展を考えれば、その創作者である日本のクリエーターとのコラボレーションが重要になるに違いない。しかし、彼らの多くにとって、日本マンガは読者に人気がある作品の無尽蔵の供給源といった認識なのかもしれない。
 そして、それが手に入らなければ、韓国マンガでもいいし、アメリカ人の作家が描けば良いというぐらいの気持ちかもしれない。アメリカで自立し始めた日本のマンガ市場に、そうした点では不安を残すコンファレンスでもあった。

/グラフィックノベル・コンファレンス
《animeanime》
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