変化と成長を続けるオンラインゲーム市場を勝ち抜く戦略(2/12) | アニメ!アニメ!

変化と成長を続けるオンラインゲーム市場を勝ち抜く戦略(2/12)

イベント・レポート

 AOGC東京2006におけるコーエー執行役員松原健二氏の講演は昨年に続いて2度目である。前回に続き今回の講演も大盛況であった。 
 この理由は、同氏が有名メーカーのオンラインゲーム担当というだけでなく、同氏が常にオンラインゲーム業界の概観を巧みに語り、誰よりも説得力を持って伝えることが出来ることにある。

 今回も松原氏の講演は、アジアと日本のオンラインゲーム市場の大きさを考えるところから始まった。同氏は、アジアのオンラインゲーム市場規模が昨年既に1000億円に達していると言う。
 それは、日本のパッケージソフト市場3000億円の既に1/3という規模まで成長しており、順調に成長していることになる。

 しかし、日本のオンラインゲーム市場の大きさは、2005年でファミ通による205億円から、オンラインビジネスフォーラムによる597億円まで大きな差がありよく判らないという。そのうえで、業界の状況を把握するために、出来るだけ早く正しい数字を知る手段が必要だと訴えた。
 オンラインゲーム業界の経済規模が曖昧であることは、昨年のこのカンファレンスでも多くの講演者が触れている。1年経てもこの問題が解決されていないことを実感させた。
 松原氏は、把握出来る企業の数字として、スクウェア・エニックスの96億円、コーエーの11.2億円、ガンホーの34.9億円、ゲームポットの8.3億円を挙げた。
 しかし、これにしても2005年の全体の市場規模が205億円ならスクウェア・エニックスとガンホーだけで全体の2/3を占めることになるし、597億円であれば1/5に過ぎない。早急な市場規模の把握が必要なゆえんである。

 今回の講演で驚いたのは、松原氏がオンラインゲームファンドに触れたことである。オンラインゲームファンドは、基調講演をはじめ他の講演でも度々触れられており、RMT(リアル・マネー・トレード)と伴に、オンラインゲームの経済的な側面への関心が益々強まっていること感じさせた。
 松原氏は、オンラインゲームファンドは追加投資が必要な点で通常のコンテンツファンドと大きな違いがあると指摘する。そのうえで、追加投資のバランスを解決するスキームが今後必要になるだろうと述べた。

 講演の後半は、オンラインゲームが本当に日本で流行るのか?もし流行るとすればそのドライバーは何になるのかといった未来の話が中心になった。
 こうした疑問に、日本の有利な点としてブロードバンドの普及率の高さと、そのコストの圧倒的な安さをあげた。一方で、韓国や中国で普及のドライバーになったPC房の文化が日本にない以上、同じパターンの普及はありえないと考える。
 結論として、現在、日本国内で少なくとも7700万台は普及しているコンソール機がドライバーとなる日本型の普及パターンがあるのでないかと指摘した。その鍵となるのが、注目を浴びる次世代ゲーム機の普及速度と対応ソフトにあるとする。

 また、オンラインゲームのビジネスモデルについては、現在半分以上がアイテム課金主体に移っているという。それでも、システムを変えるコストを考えると『大航海時代』や『信長の野望』がアイテム課金に移行することは難しく、オンラインゲームのビジネスモデルは多様化に向かっているとした。

 講演は全体に松原氏の知識と見識が十分に生かされたもので、今回のコンファレンスの中でもベストのひとつと言ってよいだろう。

/AOGC(アジアオンラインゲームコンファレンス)東京2006
/コーエー 
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