2月12日の日本経済新聞によれば、システム開発のソランとクリエーター教育のデジタルハリウッドは、中国でアニメーション分野の人材育成事業を開始する。両社は、中国・天津市にある南開大学が9月から始めるコンテンツ技術者養成の大学院を運用する会社に出資する。 新会社「天津ソランデジタルメディア」は、南開大学との共同設立となる。資本金は2億1000万円、出資比率はソランが81%、デジタルハリウッドと南開大学が9.5%になり、今後5年間で13億円の売上げを見込むという。 南開大学は、中国で3番目の都市・天津で最大の大学で、周恩来も輩出した名門大学として知られている。また、天津市は大都市ではありながら、これまで上海や北京に較べてアニメやコンテンツの分野では遅れを取っている。 海外の技術を取り入れることで、こうした格差を縮めたいという思惑がありそうだ。 一方、ソランの事業は、主にシステムコンサルティングなどネットワーク事業が中心である。実際のクリエーター教育のノウハウは、共同事業者のデジタルハリウッドが担当することになるだろう。 そのうえで、教育を終えた学生を中心に中国でアニメーション関連の新事業に乗り出すことを目指すと思われる・ また、デジタルハリウッドは、コンテンツクリエーターを中心とした人材教育にこれまで実績がある。近年は、専門学校教育にとどまらずデジタルハリウッド大学やデジタルハリウッド大学院などの高等教育への進出も行っている。 アニメ制作会社ボンズがプロデュースする教育プログラムなど現場教育への関心も強めており、クリエーター教育を海外にまで拡大する方針といえる。 中国の大学でのアニメーション分野の教育は、先日、日本エンタープライズと中国江蘇省の江南大学との提携が発表されたばかりである。教育分野は、深刻なクリエーターの人材不足を前に、現在、中国が最も日本に望んでいる分野といえる。 逆に言えば、現状では、アニメーションの分野で中国市場にビジネスチャンスのある数少ない分野であるとも言えるだろう。/日本経済新聞 /ソランとデジハリ、中国でアニメ人材育成当サイトの関連記事 /中国の大学とデジタルアニメ提携 日本エンタープライズ /ソラン /デジタルハリウッド /南開大学
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