(11/27)アニメとアニメーションの狭間で | アニメ!アニメ!

(11/27)アニメとアニメーションの狭間で

レビュー そのほか

 日本アニメーションの持つ独特の表現スタイルを『ANIME』と海外で呼ぶことは珍しくなくなった。それは、マニアの間だけでなくアメリカ、アジアやヨーロッパの新聞雑誌からビジネスの現場、アカデミックな研究分野まで普通に使われている。
 しかし、日本のアニメーションをカートゥーンから切り分けて『ANIME』とする定義は、今また揺らぎだしている。それは、『ANIME』が日本アニメ独特のスタイルさえ持っていれば日本で制作されたものに限定しなくても良いという考え方だ。

 そうした問題をカナダのアニメーション情報サイトのフレーム・パー・セカンドマガジン(fps)が、フランスとカナダの共同制作アニメーション『スカイランド』を取り上げる中で問いかけている。記事のタイトルは「More anime coming from France and Canada」である。
 『スカイランド』は、先にフランス・ニースで開催されたフィルムショーでも高い人気を得た作品である。ftpはこの作品のアニメーションのテクニックを取り上げ、技術的な境界線をいかに引くべきかについて悩み、この作品をグレーエリアにある作品だとしている。つまり、カートゥーンと『ANIME』の間にあるものだと言うわけだ。
 
 記事の中では、ほかに現在北米で大ヒットしている『アビエイター:Avatar』、や『ティーンタイタンズ: Teen Titans』なども取り上げて、これらの作品を東洋と西洋の融合した作品としている。fps によればこれらの作品は、背景美術の豊かさ、力強いポーズ、フレームの使い方、デザインといった面でアニメの表現を取り入れている。一方で、キャラクターの在り方、物語の構成においてはアニメと異なるものと考えている。
 しかしここで注目すべきは、fpsが『ANIME』の定義を制作であれ、キャラクターであれ、物語であれ、技術的な側面のみから考えていることだ。つまりアニメ=日本という図式は存在していないのだ。彼らにとって『ANIME』は日本で生まれたアニメーションのジャンルのひとつに過ぎない。アニメ=日本の2Dアニメーションという考え方は、今やしだいに薄れつつあるかもしれない。

 さらに重要なのは、ここで取り上げられた『スカイランド』が海外のテレビ放送で大人気という現実である。『スカイランド』はすでに、北米とラテンアメリカのニッケルオデオン、テレトゥーン、フランスのアンテヌドゥー、イギリス・ITV、オーストラリア・ABCで放映される予定である。
 日本発の寿司や柔道といった文化が、海外で受入られる中でそのかたちを大きく変えたように、アニメもまた海外で受入れられる中でその定義を変えようとしている。そして、その国の文化の中で変容したものがオリジナルより受入れられる現実もある。他国の文化を自分達のビジネスに変える欧米資本のしたたかさに驚かされる一方で、『ANIME』の定義の変化によって今後の日本アニメのビジネスも変わって来るに違いない。

/Fpsマガジン 
/スカイランド公式サイト 
《animeanime》
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