そうした問題をカナダのアニメーション情報サイトのフレーム・パー・セカンドマガジン(fps)が、フランスとカナダの共同制作アニメーション『スカイランド』を取り上げる中で問いかけている。記事のタイトルは「More anime coming from France and Canada」である。 『スカイランド』は、先にフランス・ニースで開催されたフィルムショーでも高い人気を得た作品である。ftpはこの作品のアニメーションのテクニックを取り上げ、技術的な境界線をいかに引くべきかについて悩み、この作品をグレーエリアにある作品だとしている。つまり、カートゥーンと『ANIME』の間にあるものだと言うわけだ。
記事の中では、ほかに現在北米で大ヒットしている『アビエイター:Avatar』、や『ティーンタイタンズ: Teen Titans』なども取り上げて、これらの作品を東洋と西洋の融合した作品としている。fps によればこれらの作品は、背景美術の豊かさ、力強いポーズ、フレームの使い方、デザインといった面でアニメの表現を取り入れている。一方で、キャラクターの在り方、物語の構成においてはアニメと異なるものと考えている。 しかしここで注目すべきは、fpsが『ANIME』の定義を制作であれ、キャラクターであれ、物語であれ、技術的な側面のみから考えていることだ。つまりアニメ=日本という図式は存在していないのだ。彼らにとって『ANIME』は日本で生まれたアニメーションのジャンルのひとつに過ぎない。アニメ=日本の2Dアニメーションという考え方は、今やしだいに薄れつつあるかもしれない。