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知っ得!コンテンツファンド活用法:レポート

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知っ得!コンテンツファンド活用法
品田 英雄氏(/株式会社日経BP 日経エンタテインメント!発行人)
土井 宏文氏(/ジャパン・デジタル・コンテンツ信託株式会社 代表取締役)
亀田卓氏(/株式会社電通 エンタテインメント事業局

 『コンテンツファンド活用法』のシンポジウムは、今回、東京コンテンツマーケットで開催されたシンポジウムの中では最も敷居の高いシンポジウムであったかもしれない。クリエィティブな分野からコンテンツへのアプローチが多いコンテンツビジネスの分野では、金融やファンドといったものに対する距離感を持つ人が多いからだ。
fund.JPG しかし、実際のシンポジウムは非常に判りやすかった。まず金融分野での実績を持つ土井氏がコンテンツファイナンスの仕組みや理論となる枠組みを説明し、その後に亀田氏が自らの具体例を出しながら運用の経験を説明した。さらに進行を担当する品田氏が、それを噛み砕いて行くという非常に理解しやすい流れとなっていた。

 ジャパンデジタルコンテンツ信託(JDC信託)で数多くのコンテンツファンドを手掛ける土井氏によれば、日本のコンテンツ市場の伸び率が他国に較べて低いという。それはコンテンツ市場に業界外部から資金が入らず、成長が制約されているためだと問題点を指摘した。そうした問題点を打開するために、資金の多様化が必要だという。
 JDCはこれまで特定目的会社(SPC)、信託ファンド、金銭信託といった様々なファンドを設定してきたが、資金調達の多様化がという考え方が背景にあるようだ。また、多様化という点から考えると、コンテンツファンドは製作委員会に代わる資金調達の方法というより、資金調達のあらたな選択肢のひとつという位置づけのようだ。
 また、土井氏によれば資金調達の多様化が、コンテンツの資金調達の市場の拡大につながるという。そうした中で今後50億円、100億円といった今より規模の大きなコンテンツファンドが現われ、大手金融機関も市場に参入することになるだろうと述べた。これにより業界の外からの資金流入が増えれば、最初に問題提起された資金不足による成長率の低さが克服されることになるのだろう。

 亀田氏の講演は、自らが手掛けた『ベビーフェースライブツアーファンド』、『ワールドカップパブリックビューファンド』、『ゴールデンライオンファンド』の経験が中心であった。こうした例を挙げながら、亀田氏は通常考えられているアニメや映画ファンドだけでなく、考えられるあらゆるエンターテイメントがファンドになり得るのだという。
 また、こうしたエンターテイメントをファンド化する際に重要なのは、顧客との関係とその満足感であると指摘した。つまり、投資家がそうしたエンターテイメント興行の一部に参加するといった一体感や特別なコンサートなどの付加価値がコンテンツファンドを売る際に大きな力を発揮するという。
 こうしたファンドが、今後登場の予想される今までより規模の大きなファンドや法人向けにファンドを売る時にも有効かについては若干の疑問は残る。しかし、投資家があまたある金融、証券などの投資先の中から、敢えてコンテンツファンドを選ぶといった時に、顧客の満足感という考え方は重要な要素になりそうだ。

 近年、コンテンツファンドは話題になることが多い。また、ファンドの設定も徐々に増えて来ている。しかし、まだまだ発展途上で未知な部分が多い。そうした分野で市場開拓を進める講演者達には、市場の先頭を走っているという自信が溢れていたように感じた。

/東京コンテンツマーケット2005 
《animeanime》
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