夏休みのアニメ映画のシーズンも終わり、国内の映画興行ランキングから日本アニメも米国アニメーションも姿を消した。しかし、ほっとしたのもつかの間で、国内映画興行ランキングで面白い現象が起こっている。マンガ原作の映画が大活躍をしているからだ。 先週末(9月17日、18日)を見ても、ベスト10のうち3位の『NANA』を筆頭に4位『SHINOBI』、8位『頭文字D THE MOVIE』、9位『タッチ』と4作品を占めている。『SHINOBI』については原作は山田風太郎だが、せがわまさきによるマンガ『バジリスク』がこの作品の注目を高めたことからマンガ原作関連と言っていいだろう。
『頭文字D THE MOVIE』も話題性たっぷりだ。日本マンガ原作のアジア映画としてどこまで成績興行を残せるかである。今でも『シティハンター』などの日本マンガ原作のアジア映画はあったが、目立った結果を残していない。それはアジア映画という分野に分類されることでマーケットの広がりを閉じているからだ。 しかし、今回は原作の世界観を失わずに制作されたことで、国籍を超えた普遍的な映画として成功している。多くの観客はアジアスターの顔をみたいということでなく、『頭文字D』という作品を観ようと劇場に足を運んでいる。今後のアジア映画の国際展開にとっては、良い先例が出来たと言える。