(9/10)西田教授クーン賞授賞記念講演 於:DCAJ | アニメ!アニメ!

(9/10)西田教授クーン賞授賞記念講演 於:DCAJ

イベント・レポート

 コンピューターグラフィックス界のノーベル賞とも呼ばれるスティーブンA・クーンズ賞を日本の研究者西田友是東京大学大学院新領域創生科(兼東京大学理学部情報科学科)教授が授賞をした。この西田教授の授賞記念講演会がデジタルコンテンツ協会で開催された。画期的な成果に加えて、授賞について教授が自ら語ることもあり講演会は会場から人が溢れ出すほどの大盛況となった。

 クーンズ賞は、米国のコンピュター学会が主催する世界的なCGグラフィクスのコンファレンスSIGGRAPHが、研究者を対象に設けている3つの賞のひとつである。この中には、CG技術と業績に対するCGアチーブメント賞と若手研究者向けのシグニフィシャント・ニューリサーチ賞がある。
 今回、西田教授が授賞したクーンズ賞は、なかでも最も重要な賞とされている。授賞者は2年間に1人で、これまでの授賞者は今回の西田教授を含めても12人のみである。この中には、CGの父と呼ばれるサザーランドやアニメーション制作会社ピクサーの創始者カトマルなどが含まれている。 
 西田教授は今回の授賞は古くからこの分野の研究を続けていることやSIGGRAPHの幅広い分野に関わってきたこと、提出論文の多さなどの総合的な判断でないかと説明された。しかし、今回の講演を聞くと、それに加えて研究分野の先進性や開拓精神とアジア地区におけるこの分野の開拓者としての評価もあるのではないかと感じた。
 西田教授の研究はシェーディングモデルから始まって、曲面モデル、自然の具象化、音と流体といった常に新しい分野に果敢に挑戦し、常に実績を残し続けている。新しい分野に挑戦し続けるといったそうした精神こそが、研究分野では最も高く評価されるべきだからである。

 記念講演会は西田教授がシーグラフの授賞式に発表した発表資料を元に自らの研究の位置づけや今後の研究の方向性も含めたものである。講演時間は1時間に及び、実際のシーグラフでの授賞講演が、他の授賞者との時間の兼ね合いから15分であったのに較べてかなり贅沢な内容であったといえる。
 内容は自らの研究領域の変化とその中での実績についてが中心で、専門領域外の者でも理解しやすかった。技術的な問題よりも、なぜ研究を始めたのか研究領域の変化についてなど、CG技術の分野に限らず多くの人に参考になるものだった。
 最後に、西田教授は日本ではCG分野のアーティストは高く評価されるが、それを支える技術者に陽が当たることが少ない、もっとCGの技術者に目を向けて欲しいと講演を締めくくった。

/デジタルコンテンツ協会 
/東京大学大学院新領域創生科 
/SIGGRAPH 

西田友是教授の別の講演会が、9月16日に東京シーグラフでも予定されている。
/シーグラフ東京 

シーグラフの知識を身につけるに便利なサイト
/SIGGRAPH MANIA 
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