最近、米国の有力メディアが相次いで日本アニメを取り上げている。要は、日本アニメが米国のサブカルチャー文化に根を下ろし、米国文化に大きな影響を与えているというわけである。 8月27日のニューヨークタイムズ紙は『米国生まれのカンフーアニメスター』で、日本アニメのカートゥーンに対する影響力とその作風の変化について取り上げている。NYタイムズは21日にも、ファンサブに関係してアニメについて取り上げている。 同様に米国の有力メディアのFOXは、26日のFOX Newsの中で『日本コミックの侵略:彼らは征服出来るのか』とストレートに、米国文化の中で勢いを増す日本アニメ・マンガのこれからの可能性を分析している。 30日にはWIRED NEWSが日本アニメの広がりと今後の展開について詳しくレポートしているのは別の記事/(『NARUTO 米検索ランクさらに上昇19位に』)でふれた通りである。 ニューヨークを拠点とするカルチャー雑誌ビレッジボイスは31日に、ニューヨーク近代美術館で上映される『マインドゲーム』についてのレビューを掲載している。美術館の企画上映のひとつに批評を加える珍しさに加えて、批評には日本という視点はほとんどないのも特徴だ。これも日本アニメがカルチャーとして根づいている一端といえるかもしれない。 このほかにも地方の有力紙があらためて日本アニメとマンガの活況について述べた記事が目立っている。最近の特徴は、全米各地で増えつつある地元のアニメコンベンショの動員数に対する驚きを取り混ぜたものと、中学・高校のアニメクラブの活躍といった趣旨の記事である。 米国市場で日本アニメがどこまで成長するか分からないと言われていた2年前ならいざしらず、なぜ今、日本アニメなのだろうか。ここ1、2年で日本アニメの米国でのDVDの売上げやテレビ放映時間の枠、関連商品の売上げが頭打ちである。 米国の大手メディアの情報は遅れているのだろうか。そうした可能性も捨て切れないわけでない。しかし、むしろ頭打ちと言われている中で日本アニメは着実に米国の文化の中に根ざしつつあるといこうとのようだ。 頭打ちというのは逆に言えば、一部の層で確実に日本アニメが売れ続けているわけである。むしろ、いわゆる大ヒットが出ないなかでビジネスが持続していることは、旧作やマニア作品が着実に売れていることを示している。 少なくともサブカルチャー分野ではアニメという分野は定着した感があり、これがなくなることは当分なさそうな気配なのだ。こうしたアニメやマンガの土着化は、いわゆる日本アニメに影響を受けたカートゥーンやマンガに影響を受けたコミックの存在、その意外な人気に現れている。 米国の大手メディアはブームの時は単なるブームとして取り上げて、アニメはやがてなくなるものと思っていた。しかし、ブームが去ってみたら根強く日本アニメは残っており、それが様々な文化に影響を与え始めていることに気づいたわけである。 そして、ブームではなく米国文化に組み込まれた存在として新たにアニメに注目しはじめた。それが、最近の米国メディアのアニメに対する関心の理由でないだろうか。ニューヨークタイムズの記事/Kung Fu Fightin' Anime Stars, Born in the U.S.A.FOX NEWSの記事/Japanese Comics Invade; Can They Conquer?この記事については『英語で!アニメ・マンガ』が詳しく解説されてます。/日本マンガのアメリカ侵攻:テレビに続いて映画征服は可能か?ビレッジボイスの記事 /Mind Game
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