8月31日から世界有数の映画祭である第61回国際ベネチア映画祭が開幕する。日本人とって今回の映画祭の目玉は『ハウルの動く城』や『となりのトトロ』といった作品で知られる宮崎駿が名誉金獅子賞を授賞することであろう。 金獅子賞はコンペティション作品の中から最も優れた作品に与えられる賞であるが、映画祭ではそれとは別に映画界に多大な貢献を行った人物を選出して名誉金獅子賞を贈っている。 これまで宮崎駿作品は世界各地で高い評価を受け、世界のアニメーション関係者に大きな影響を与えて来た。また、監督はアニメを超えた映画人としても高く評価されている。過去には、『千と千尋の神隠し』がベルリン国際映画祭の金熊賞(グランプリ)やアカデミー賞のアニメ作品賞を授賞するなどの実績も残している。 今回の受賞はそうした宮崎駿の活動を評価したものである。今回の名誉金獅子賞には宮崎駿以外に『山猫』などで知られるイタリアの女優ステファニア・サンドレッリも選ばれている。 宮崎監督の名誉金獅子賞の授賞式は9月9日の16時(現地時間)に行われる。授賞式に引き続き、ヨーロッパ未公開の宮崎作品の『風の谷のナウシカ』と『On Your Mark』が映画祭で上映される予定になっている。 ベネチア映画祭では、このほか日本アニメーション分野から人気ゲームを映像作品に展開した『ファイナルファンタジーⅦ アドベントチルドレン』がデジタル映像部門に特別招待される。『ファイナルファンタジー』は昨年も出品されたが、昨年は未完成な状態での出品で、今回は完成版となる。 『ファイナルファンタジー』は日本では9月14日にDVDの発売が予定されており、イメージソングに氷室京介が決まるなど内外で話題を呼びそうだ。映画は残念ながら、コンペティションの対象とはなっていないため賞レースには参加していない。 また日本映画では、『妖怪大戦争』がやはりコンペティション部門以外での上映を予定している。さらに、『日本映画の秘められた歴史』と題された企画上映の中では、溝口健二、鈴木清順、深作欣二などの映画がまとめて上映されることになっている。このためコンペティション部門への参加作品はないが、宮崎駿の名誉金獅子賞の授賞も含めて日本映画も存在感がある映画祭になりそうだ。/ベネチア国際映画祭公式サイト
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