『めざめの方舟』で目覚める:万博レポート1 | アニメ!アニメ!

『めざめの方舟』で目覚める:万博レポート1

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 「出来れば観たい、でも名古屋まで行くのは面倒だ」と思っていた愛知万博:愛・地球博の『めざめの方舟』に行って来た。今回、人に誘われて観に行くことになったのだがやっぱり観て良かった。
 作品自体が面白かった以上に、この作品が万博会場のあの舞台装置と一緒になることで完成している作品だからだ。つまり、『めざめの方舟』を観るのは会場でしか出来ない体験なのである。それは、家で観たDVD版の『めざめの方舟』を観ることでも判った。DVD版自体も優れた作品で面白いのだが、それは僕のパビリオンで感じた印象とはだいぶ異なっていた。
 パビリオンで感じてDVDにはなかったのは、画像全体が自分を包み込むイメージである。それは上にも下にも周りにも映像があるという体験だ。勿論、四方八方に映像があれば、全ての映像を観ることは出来ない。しかし、その全体の一部しか観れないがゆえに感じる映像との一体感は、全てが四角い枠の中に納まってしまうDVDのそれとは明らかに違うのだ。
 作品の内容は、3部作のうち『狗奴』と題されたパートで正味15分ぐらいの作品である。系統だったストーリーはなく「犬」、「DNAの螺旋モデル」、「獣人」、「漢字」といったこれまで押井守作品にしばしば現われたモチーフが散りばめられたイメージ映像である。
 川井憲次の印象的な音楽もあり、映画『イノセンス』の択捉での祭のシーンを思い出した。しかし、圧巻は床一面に張られたプラズマパネル現れた動物を示す漢字が様々に変化し、現代美術のようなに模様を作り出しているシーンであろう。観る側に映像の持つ高揚感を与えるとても美しいシーンだ。

 上映後に、後ろのほうから予想通りの反応『意味が判らない』という声が聞こえてきた。パンフレットを読めば、それぞれの映像にそれなりの意味づけはされている。しかし、僕はもうだいぶ前から押井守作品を理解するという作業を放棄している。
 理解しようしても理解出来ないのは最初から判っているのだし、理解しなくても十分面白いからだ。僕にとっての押井作品は自分の感性に働きかける刺激である。正直、やっぱり映像とタイトルの『めざめの方船』の関連は判らない。めざめがあるとすればそれは映像による感性への働きかけではなかっただろうか。

/夢みる山:めざめの方船
/愛知万博
/押井守公式サイト ガブリエルの憂鬱
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