ジェトロの米映画市場のレポート | アニメ!アニメ!

ジェトロの米映画市場のレポート

 7月24日に日本貿易振興機構(ジェトロ)のアニメ、コンテンツ関連の調査レポートについて紹介したが、さらにもう一件興味深いレポートを発見した。『米国映画産業の実状と日本映画コンテンツ進出の手引き―ハリウッドの門をたたく、その前に―』である。
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 7月24日に日本貿易振興機構(ジェトロ)のアニメ、コンテンツ関連の調査レポートについて紹介したが、さらにもう一件興味深いレポートを発見した。『米国映画産業の実状と日本映画コンテンツ進出の手引き―ハリウッドの門をたたく、その前に―』である。
 内容はタイトルの通り米国の映画市場のビジネス構造の解説とその中でいかにビジネスを行っていくかについてのものである。また米国の劇場市場における日本のコンテンツということで、ホラー映画とアニメ映画が非常に大きく扱われている。
 調査レポートは映画市場、DVD市場の現状から、映画のレーティング問題、賞レースの実際、さらには完成保証会社やエージェントのリストまで含んだ情報リストなど必要な情報が豊富にかつ手際よくまとめられており非常に出来が良い。正直、紹介しないで黙っておこうかと思ったぐらいである。ビジネスに直接関係なくても、米国の映画業界の構造を知るには必携のレポートといえる。

 個人的に面白かったのは、米国の劇場アニメーションの市場のセグメントを「大衆向けのハリウッド大作映画」と「マニア向けの日本アニメ」、「TV市場から派生したアニメ(『ポケモン』)」、「宮崎アニメ」と4つに分類している点だ。
 私自身はこれまで、米国のアニメーションを「子向きの大衆市場(大作ハリウッド作品)」、「子供向きの隙間市場(『ポケモン』、『スポンジボブ』、宮崎作品)」、「大人向きの隙間市場(日本アニメ)」、「大人向きの大衆市場(VFX作品が市場を代替)」と考えてきたので分類の仕方の違いが興味深かった。
 とりわけ宮崎アニメを独立したものとして扱うのは考えてもよいかもしれないと感じた。宮崎作品は、フランスアニメの『ベルヴィル・ランデブー』のような作品も含めて芸術的な指向性の強い作品群と分類出来るかもしれない。
 アニメ市場のセグメント分析は非常に関心があるので今後また詳しく書いてみたい。

/日本貿易振興機構 
米国映画産業の実状と日本映画コンテンツ進出の手引き―ハリウッドの門をたたく、その前に
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《animeanime》
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