海外のアニメコンベンションで日本人にとって最もなじみがないのがパネルと呼ばれる講演会形式のイベントだろう。日本ではあまり見かけない形のイベントだが、海外では身近なイベントであると同時にとても人気がある。 講演会形式というと堅苦しいが、要は人気クリエーターや人気企業の代表が中央の席で色々と発表したり、質問を受けたりするだけだ。こうしたパネルは大きくふたつに分けることが出来る。つまり、流通会社や制作会社といった企業がスポンサーになり自社作品の宣伝を行う企業パネルとフリースポンサーと呼ばれる有志による自主企画のパネルだ。企業パネルは大きな会社になるとDVD部門、出版部門、音楽部門といったライン別や個別作品ごとといった感じで数多くの複数のパネルを持っている。 フリースポンサーのパネルは企業パネルよりもっと包括的な話題を扱っており、思い入れたっぷりなものが多い。しかし、産業化の進むAnime Expoの中では急激に影が薄くなっている。今回のフリースポンサーパネルには『エヴァンゲリオン10周年記念』や『アニメクラブサミット』、『字幕VS吹替え』などがあった。 筆者が今回参加した主な企業パネルは『VIZメディア』、『ジェネオン・エンタテイメント』、『GONZO』、『FUNimation』などである。是非、参加したいと思っていたバンダイエンターテイメント、ADV、プロダクションIGといった企業のパネルは時間が合わず参加することが出来なかった。 企業パネルの形式はどこも似たようなもので、最初に経営陣やスタッフ、クリエーターから新作品の発表や今期の方針やラインナップの紹介などがあったり、時にはプロモーションビデオを見せたりする。今回は、FUNimationパネルが『トリニティブラッド』の第1話をまるまる上映したのが目をひいた。大体そこまでが前半で、後半はファンからのQ&Aコーナー、最後にプレゼントコーナーで閉めるというのがお決まりである。ちなみに、プレゼントコーナーではDVDやTシャツ、時にはサイン色紙などが派手に配られるなどパネルイベントの大きな魅力にもなっている。 日本人からすれば単なる新作発表に見えどうかと思えるのだが、情報収集の方法の限られた米国のファンにとっては貴重な情報源となっている。何よりも制作側に直接要望を伝えられる数少ない機会なのでQ&Aコーナーはいつでも長蛇の列になる。 企業にとってもいち早く効果的に自社作品を伝える場として利用できるし、新作発表の場はこうした派手な場所のほうが宣伝効果もあるだろう。そして、何よりもそうした新作へのファンの反応が直接確認出来る場でもあり、ビジネス上大きな意味を持っている。つまり、ファンにとっても企業にとってもコンベンションの企業パネルは地味なイメージとは裏腹に非常に重要な存在なのだ。/アニメエキスポ2005 写真上 エヴァンゲリオン10周年記念パネルの様子写真下 パネルのQ&Aで列を作る人達
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