『オタク市場』とは何か | アニメ!アニメ!

『オタク市場』とは何か

レビュー そのほか

 昨年、オタク市場の大きさを2900億円市場と算出して話題を呼んだ野村総合研究所が、自社の広報誌であらためてオタク市場を追求して発表している。この広報誌『未来創発』では、『オタク市場を探るー新たなコンシュマーたちのパワーー』と題してオタク市場の可能性について7ページに亘り巻頭特集を組んでいる。
 
 記事の内容は、『オタク』をビジネスとして捉え直すというものであるが、数字的なものは昨年の調査報告と同様である。むしろ、『オタク』の創造性や『オタク』の定義についての記述が目についた。
 記事の中では、プロダクションIGの石川光久社長やGDHの石川真一郎社長などもコメントを寄稿している。中でも興味深いのはGDHの石川社長が、アニメの『オタク』を濃いオタクが20万人ぐらい、薄いオタクを100万人ぐらいと分類している点である。そのうえで、濃いオタク20万人がオピニオンリーダーであり、それが100万人の世界に広がれば、さらに1000万人の世界に広がって行くと考えている。
 オタクという定義は極めて曖昧で、少なくともこれまでに『オタク』について統一的な定義がされたことはない。しかし、この記事の中でGDHの石川氏の考える『オタク』が定義として正しいかは別としても、オタク市場を濃いオタク20万人、薄いオタクを100万人と捕らえることは、マーケット戦略を考えるうえで非常に合理的である。
 こうした『オタク』をコアな部分と周辺部分と階層的に分けて考えるのは石川氏に限らず、アニメビジネスの関係者の中では共通認識としてあるようだ。例えば、Wowmax Media代表の海部正樹氏は、昨年の東京国際アニメフェア2004のセミナーの中で米国のカッティングエッジのアニメ市場をコアユーザー3万人、ハードユーザー20万人、ライトユーザーを62万人と分類している。カッティングエッジとは日本でいう『オタク』向けのアニメのことであるから、米国の市場でも『オタク』市場には濃淡の異なる層が存在することになる。ちなみに、海部氏の推定を用いればコアユーザーとヘビーユーザーを合わせると23万人、ライトユーザーが62万人と日本のアニメオタク市場とかなり近い数字であることは面白い。
 野村総合研究所のオタク市場予測チームによる研究はさらにまとめられ、本年5月に調査結果として出版される予定である。

/野村総合研究所 
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