このパネルでは、オンラインゲームを中心にオンラインとオフラインがどのように違うのかが論点になった。まず、細川氏がゲームを行ううえでのユーザーのベネフィットについて説明した。つまり、パッケージゲーム(小売店で市販されるゲームソフト)を行う際のベネフィットとオンラインゲームを行う際のベネフィットに違いがあるということである。細川氏によれば、ゲームーユーザーがパッケージゲームを行う際のベネフィットは爽快感、達成感、バーチャル感、到達感、優越感、収集など多様な要素から成り立つとしている。それに対して、オンラインゲームのベネフィットはコミュニケーションと爽快感の2点に集約されるという。 このためオンラインゲームでは、ゲームの中における重要性がコンテンツ自体から提供されるサービスに移っている。こうした変化を踏まえるとオンラインゲームにおいては、コミュニティのマネジメントとイベントの演出こそが成功要因であるとまとめた。 また、三木氏はオンラインゲームを提供する側から、従来のパッケージゲームとのビジネスモデルの違いを述べられた。両者の大きな違いはパッケージゲームが売り切りモデルであるのに対して、オンラインビジネスが継続的に収益をあげるモデルである点、海賊版の心配がない点だとしている。またオンラインゲームは、初期コストが大きくなっているとしている。 ふたかたは消費者の立場から見た場合とビジネス側からみた場合と異なった視点からオンラインゲームを考えているが、共通点を見出すことが可能である。それは、これまでのパッケージゲームとオンラインゲームがこれまでと全く異なるものであるという認識である。つまり、ユーザーの側から見たときの違いはベネフィット(効用)、期待感の違いであり、企業側から見たときの違いはビジネスモデルでにあるといえる。『コンテンツビジネスの未来』個別レポート1細川敦氏 ㈱メディアクリエイト代表取締役三木雄信氏 ソフトバンクBB㈱ コンシュマーサービス企画本部長野島美保氏 成蹊大学経済学部専任講師/メディアクリエイト /ソフトバンクBB