『コンテンツビジネスの未来』シンポジウムレポート | アニメ!アニメ!

『コンテンツビジネスの未来』シンポジウムレポート

 3月4日に東京丸の内で、『コンテンツ・ビジネスの未来 競争力を高めるための組織・人・ビジネスモデル』と題したシンポジウムが行われた。このテーマのもと8つのパネル・ディスカッションを設け現在のコンテンツビジネスを巡る様々な問題について議論された。
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 3月4日に東京丸の内で、『コンテンツ・ビジネスの未来 競争力を高めるための組織・人・ビジネスモデル』と題したシンポジウムが行われた。このテーマのもと8つのパネル・ディスカッションを設け現在のコンテンツビジネスを巡る様々な問題について議論された。
 主催は、ゲーム産業研究会を前身とするコンテンツ産業研究会という学術研究団体であるためアカデミックな色彩が強かった。しかし、㈱247ミュージックの丸山茂雄氏や㈱OLC・ライツ・エンタテイメントの岡田忠明氏など産業界からも多くのゲストが招かれており、むしろ、産学の連携という意味では面白いシンポジウムであった。また、アカデミックからの発表者、産業界からのゲストの多くが若手のかたで、コンテンツビジネスが産業としても学問としても新しい分野であること再認識させられた。

 発表の内容は、オンライン配信ビジネス、海外流通の管理、コンテンツの競争力、ビジネスモデル、資金調達、アカデミックの現場の実態、人材、概論と多くの分野に及んだ。それぞれのゲストは、その分野で実績のあるかたばかりで的確な視点を持っていた。しかし、多くの発表が10分から20分という非常に限られた時間だったために、内容の充実度に多少の不満が残った。豪華な講演陣の力を最大限に生かせてなかったかもしれない。それでも発表者の多くが自らの関わる問題を手際よくまとめ、全部を通して聞くとコンテンツビジネスの全体像が見えるという構成になっていた。
 この中で見えてきたのは、コンテンツの未来を考えた時にやはり越えなければいけない問題が山積であるということだ。一番指摘された問題は、プロデューサーを中心とする人材不足であった。そのほかにも、著作権管理の問題や本当に資金を必要としている場所に資金が行っているのだろうかとする資金調達の問題、過去のコンテンツが管理されないまま利用されていない問題などが印象に残った。
 しかし、そうした問題をネガティブに捕らえるのでなく、日本のコンテンツビジネスの未来を信じる一方で、現在の問題を確認していこうという楽観的でも悲観でもないいい雰囲気のシンポジウムであった。

日時:2005年3月4日 
主催:コンテンツ産業研究会(日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究) 
共催:グローバルビジネスリサーチセンター
   東京大学21世紀COEものづくり経営研究センター

/コンテンツ産業研究会/グローバルビジネスリサーチセンター 
/東京大学21世紀COEものづくり経営研究センター 

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/ゲーム産業の経済分析―コンテンツ産業発展の構造
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