『踊るコンテンツビジネスの未来』 | アニメ!アニメ!

『踊るコンテンツビジネスの未来』

レビュー 書評

 軽やかなタイトルとは裏腹に力の入った骨太の内容である。内容はコンテンツビジネスを中心とした時事トピックスと同時にコンテンツビジネスの概論となっている。コンテンツビジネスの定義から始まり、誕生から現状、課題を手際よく解説したコンテンツビジネス理解のための入門書といった感じで構成されている。
 著者はポケットモンスターのビジネス展開を著した『ポケモンストーリー』(2000年日経BP社)と同じ畠山けんじ氏で、さらに同書の共同著者であった久保雅一氏が企画・監修として参加している。それだけに、コンテンツビジネスに対する理解は深く細かな内容や数字までに目配りがきいており安心して読むことが出来る。
 
 内容はコンテンツ関係者へのインタビューとコンテンツビジネス概論というべき部分から成り立つ。インタビュー部分では、コンテンツ業界のベテランと言われる人達の考え方や現状認識を中心に話を展開しており、この部分では時事的な内容を求めるニーズにもマッチすると同時にこの本があまり堅くなり過ぎない読みやすさのバランスを作り出している。
 また、概論の部分では、特に政府・行政の動きを中心に、なぜコンテンツがこれほど重視されるようになったかを丁寧に追っており、この部分だけでも一読するに値するだろう。また、海外各国のコンテンツ政策も手際よく紹介されており、こちらもこれまでばらばらに紹介されることが多かっただけに理解しやすい。
 最後のコンテンツビジネスの課題については、数多くの課題が挙げられている。ページ数の問題もあったと思われるが、もう少し突っ込んだ議論や筆者の意見があればと若干物足らなく感じた。しかし、これまで、コンテンツビジネスとしばしば語られる割には、全体像として語られることがなかった。そうした中でこの本は、コンテンツビジネスに興味を持った者が最初に読んでおきたい本の一冊である。

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/踊るコンテンツ・ビジネスの...
著/畠山けんじ 企画・監修/久保雅一
小学館 1714円+税
/ポケモン・ストーリー
著/畠山けんじ 久保雅一
日経BP社 1470円(税込)
《animeanime》
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