オタク化する女性 | アニメ!アニメ!

オタク化する女性

レビュー そのほか

 オタクという言葉を聞いた時に普通はどういったイメージが思い浮かぶだろうか。勿論、人それぞれではあるが、10代、20代の独身男性で自分の趣味に没頭し執着するというのが典型的なイメージでないだろうか。趣味の対象は、アニメ、コミック、アイドル、PC、鉄道、ゲームといった様々な分野に及ぶだろう。
 しかし、ことアニメやコミックの分野に関する限り、こうしたイメージは訂正が必要となっているかもしれない。というのも、ここ数年でアニメ、コミックといった分野では女性ファンの拡大が急激に進んでおり、いまや男性のそれを上回る勢いなのだ。
 先日参加した『キャラクタービジネスの最新事情と海外市場の動向』という講演の中で、現在の少年ジャンプの読者はその雑誌タイトルとは裏腹に女性の読者がかなり占めているという話題があった。その時に、女性のおたく化というキイワードも出てきた。
 そう言われて考えてみると、コミックマーケットといった同人誌イベントでは女性参加者が男性参加者を大きく上回り女性も勢いがある。最近確認した大手アニメ雑誌の特集は、明らかに女性をメインに意識して編集されていた。世間のイメージとは裏腹に、アニメやコミックに情熱を傾けるのは男性より女性のほうが多い可能性がある。少なくとも、男性オタクの分野と言われて来たところで、実は女性ファンのほうが大きな影響力を持っていることは確かだろう。

 しかも、これは日本に限ったことではないようだ。ほんの数年前までは、海外の日本アニメのファンの大多数は男性と思われていた。例えば、テキサス大学のスーザン・ネイピア教授はその著書『現代の日本アニメ』において北米のアニメファンを「アニメの大多数を占めるのは男性(76%~85%)」と述べている。しかし、近年、北米での女性アニメファンの急増が指摘されており、本年、米国で開催されたAnime Expo2004で行った調査では男女比率は6:4であった。
 また、本年1月に東京で行われたアニメエクスポ東京で世界各国のコンベンションオーガナイザーを集めたパネルでは、ヨーロッパでも同様の傾向の報告が相次いでされていた。例えば、イギリスでは男女比率はほぼ5:5に接近しており、今の勢いが続けば数年後には女性の参加者が男性の参加者を抜くなどの発言があった。

 アニメ、コミックから離れても、人気が大爆発した平成仮面ライダーシリーズが子供たちより、むしろその母親層に受けたのがヒットの大きな要因だったことはよく知られた話だ。平成ライダーの出演俳優がシリーズが新しくなるほどアイドル顔にシフトしって行ったのは、マーケティング戦略の一環であろう。考えてみれば、女子学生の男性アイドルに向けられるパワーは、男子学生のオタク的な情熱に通ずるものがある。結局、男女のメンタリティーに大きな差はないため、アニメやコミックといった分野で性別による垣根が壊れて来たことが、女性のオタク化を促しているのかも知れない。
 そうは言っても、それでも男女の性差は存在するらしく、女性に支持されるアニメ作品やコミック作品の流行は男性のそれよりも早いように見える。こうした作品の企画に携わる人達は、これまで以上にファンに歓迎される作品を生み出すために頭を悩ましているかもしれない。
《animeanime》
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