東京コンテンツマーケット2004:レポート1 | アニメ!アニメ!

東京コンテンツマーケット2004:レポート1

イベント・レポート

 『コンテンツブランド価値がマーケットを変える』-キャラクターのブランディング-
  講師 久保雅一氏 小学館 キャラクター事業センター センター長
      内田康史氏 GDH COO
      阿久津聡氏 一橋大学大学院 国際企業戦略研究科 助教授

 今回のシンポジウムは、『ポケットモンスター』の北米市場での売り出しで有名な小学館の久保雅一氏に高品質の作品と先頃の株式上場発表で注目を浴びているGDHのCOO内田康史氏というビッグネームの対談のため多くの立ち見がでるほど大盛況であった。
 まず、初めに進行役を務める一橋大学大学院国際企業戦略研究科の阿久津聡助教授が、コンテンツ分野が現在注目されつつあるがこの分野においてブランド価値の重要性がこれから増してくるのでないかとシンポジウムの趣旨を述べた。そして、現在の国内外のコンテンツ産業の概略とその中におけるブランドの位置づけ報告した。

 久保雅一氏は、コンテンツは制作されただけではブランド足りえない、様々な派生効果が現れ、コンテンツは商品が一人歩きを始めた時点で初めてブランド足りえるのでないかと指摘した。
 また、現在のコンテンツの在り方には様々な方向性があり、例えばポケモンなどは海外では現地向けにアレンジすることを厭わないが、スタジオジブリなどでは日本仕様のままにこだわる、どちらが正しいかでなく異なった行き方があるのだと述べた。その説明に『千と千尋の神隠し』はアカデミー賞を取ったが米国での商業的な成功は大きくなかった、一方で、『ポケモン』は賞を取らなかったが商業的に大成功を収めた、しかし、どちらがよりよいとは言えないと語った。
 アニメビジネスについては、小学館の手掛けるコミックからのアニメ化は、コミックがスタートした時点からアニメ化が始まる前に読者のニーズを様々な形で汲み上げている。このため、アニメ化される時点で既にある程度作品が完成しておりオリジナル作品に較べるとリスクの低いビジネスなのだと述べた。おそらく、オリジナル作品でビジネスを成功させているGDHにはこれと異なる方法があるのでないかとした。

 これに対して、内田康史氏は、GDHの作品は高品質さと深夜番組での高い視聴率の実績がTV局に信頼を得ていると説明した。しかし、視聴率が必ずしも視聴者の満足感とは結びついておらず、DVDの購買行動に結びつかないことに気付いているという。深夜アニメについて言えば、これまではアニメファン向けのマーケットと考えてきたが、一般向けのマーケットがあるかもしれないと新しい市場の可能性を指摘した。そして、大人向けのアニメの市場は日本、ヨーロッパ、北米における急成長マーケットであることにも触れた。
 最後に、日本人は例え英語が出来てもハリウッドの巧みなビジネスの罠に陥りがちなので、取引の際には十分注意する必要がある。また、人任せでなく制作者自身が自分達の足で出て行かなければ作品に対する熱い思いは伝わらないとビジネスへの思いを語った。
 
 内容はタイトルにあったブランド価値から離れることが多く、ややまとまりにかける印象があったのは残念であったが、アニメビジネス、コンテンツビジネスの話には興味深い話が多く有意義なシンポジウムであった。

/東京コンテンツマーケット2004 
/GDH 
/一橋大学大学院 国際企業戦略研究科 
《animeanime》
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