『ゲーム開発者の国際連携』レポート

イベント・レポート

 東京大学大学院情報学環コンテンツ創造科学連携プログラムのキックオフイベントである『ゲーム開発者の国際連携』と題した記念講演会に行ってきた。
 タイトルは『ゲーム開発者の国際連携』だったが、実際のテーマは学問としてのゲームである。ゲームが文化として、ビジネスとして発展して来るとこうした学問の登場は必然なのかもしれない。実際に、文学があり、エンターテイメント経営学があるのだからこれもまたありだろう。
 私は今回の講演を聴くまでテクノロジーとしてのゲームは別とすると学問としてのゲームが存在するとは全く知らなかった。それだけに、未知の分野の学問といことで非常に新鮮な話で楽しめた。

 講演は、国際ゲーム開発者協会のプログラムディレクターのジョンソン・デラ・ロッカ氏とコペンハーゲンIT大学コンピューター研究センター研究員で“Ludology”というゲーム学を提唱しているゴンザロ・フレスカ氏の両氏である。
 最初に、ロッカ氏が『産業と学問の関係』と題して学問としてのゲームが産業に何を提供出来るのか、ゲーム産業が学問に何を提供出来るのかの話があった。学問は、才能豊かな人材を産業界に送り出し、プログラミング技術や理論の支え、信頼性の提供を産業に対して行える、また、産業界からは知識や資源の共有、学生の学問に対する関心の喚起、アプリケーション、そして資金が提供出来るということである。また、両者は協調出来るにも関わらず、目的の違いや成果の開示などの幾つかの面で超えなければいけない課題があると述べた。

 フレスカ氏は『コンピュターゲーム研究の最近のトレンド』と題した講演の中で、よりゲーム学について詳しい話をした。講演の要点は3点で、“Ludology”(=ゲーム学)とは何なのか、オンラインゲームの研究、シリアスゲームと呼ばれるエンターテイメントを目的としないゲームの実際である。フレスカ氏の多くの実例をあげた解説は大変判りやすく、門外漢の私にもゲーム学の概要は十分理解出来た。特に、米国の大統領選に公式に用いられた政治ゲームやテロの問題を考察させる9.11ゲームは興味深かった。

 両者とも共通したのは、ゲーム学という学問が成立するかという問題は既になく、学問の世界がゲームに対して何が出来るのかというレベルに入っていることである。そして、産業やビジネスと学問は対立するものでなくゲームというフィールドで共存出来るという視点にある。
 日本で近年話題になりつつある産学連携という考えは、既に日本国外ではごく当たり前の概念として確立していることを感じさせる講演だった。

主催:東京大学大学院情報学環コンテンツ創造科学連携プログラム
協力:国際ゲーム開発者協会日本/東京大学ゲーム研究プロジェクト

/東京大学大学院情報学環 
/国際ゲーム開発者協会日本 
/国際ゲーム開発者協会 
/東京大学ゲーム研究プロジェクト 
↓ゲーム学を提唱しています
/Ludology .org
↓9.11ゲームがプレイ出来ます
/NEWSGAMING.COM 
《animeanime》

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