『台湾オンラインゲームセミナー』報告

イベント・レポート

 9月22日に台湾オンラインゲームセミナー『台湾/中国の市場動向とビジネス戦略』(主催:財団法人交流協会/台湾経済部デジタルコンテンツ産業推進室 企画運営:台北市コンピュター協会)に行ってきた。
 内容は2部構成になっており、セッション1では『台湾オンラインゲーム市場動向及び各社の中国戦略』と題してSOFTSTAR社とEASYFUN entertainmentの2社から中国本土のオンラインゲームを中心としたゲーム市場の現状報告とその中で台湾ゲーム会社の果たす役割についての報告であった。最大のトピックは、中国市場の巨大さと潜在的な成長力である。韓国企業の存在感の大きさは判っていたが、中国の現地企業の活躍には意外感があった。
 セッション2は『日台コンテンツ共同開発の事例、問題点と成功のポイント』の題で、こちらはINTERSERV社とXPEC社という既に日本とのビジネス提携で実績がある2社が、日台の事業提携のメリットと発生し得るトラブル、その克服方法について講演した。両社ともコストの優位性とクオリティーの高さを自社のメリットとして強調しており、台湾企業組む際の優位性はゲームビジネスに関係のない私にも説得力があると思えた。

 このセミナーを聞く中で一番疑問に思った点は、なぜコストも安く、技術力もある台湾メーカーが日本企業との提携を求めるのかである。この点は、セミナーの最後にコーディネーターの川口洋司氏より講演者に質問があった。それは、台湾の企業はまだ小さく日本の総合力を期待しているということである。また、台湾の企業はゲームソフトのアウトソーシングに最適であるということも強調されていた。
 確かに、台湾メーカーの世界で数百人足らずという会社規模は大きいとは言えない。例えば、日本企業が持つ日本国内、米国、欧州でのネットワークは簡単には築けないものである。台湾の国内人口は2300万人なので、米国や日本のように国内市場で力をつけてから海外に進出するビジネスモデルが成り立たない。それゆえ、台湾企業はどの産業も、最初から海外志向になる。しかし、国外市場で勝負するには力不足であれば、アウトソーシングの受託にならざら得ない。この構図は考えるまでもなく、台湾の半導体企業、液晶パネル企業といった産業が辿って来た道と同じである。下請けを行う中で、量的拡大、会社規模の拡大を行い、最終的にはその分野で世界一になるというものである。おそらく、台湾ゲーム産業もその道を目指しているのであろう。
 しかし、そこには日本が勝った、台湾が勝ったという図式でなく共存共栄という道もあるはずだ。セミナーの中であったように、日本が総合力、企画力を持ち、台湾が品質管理、技術管理を行い、中国で生産を行うことも理想として可能である。そのためには、日本企業にはさらなる経営努力が求められる。
 
 また、注目すべきはこのセミナーが台湾政府の後押しによって行われてことである。セミナーの主催は財団法人交流協会と台湾の経済産業省にあたる台湾経済部のデジタルコンテンツ産業推進室であった。金曜日9月24日から始まる東京ゲームショーに合わせた国をあげての台湾ゲーム産業のアピールなのだ。今や、映画産業を超える規模にまで成長したゲーム産業に各国政府は強力なサポートを行っている。一方、日本の経済産業省もここ数年でコンテンツ産業育成に力を入れ始めていますが出遅れ感は否めない。
 現在、世界のゲーム市場は拡大を続けているが、日本市場のみは縮小しており10年前に比べて国際ビジネスの場では影が薄くなっている。しかし、これまでに、産業育成や海外進出にもっと行政のバックアップがあったなら多少の違いはあったかもしれないと本日のセミナーを聞きながら思った。

/財団法人交流協会
/台湾経済部 
/SOFTSTAR 
/EASYFUN entertainment 
/INTERSERV 
/XPEC 
《animeanime》

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